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【全国大会】ソフトボール部 惜敗 ~後輩に託す夢の続き~

 1点が遠かった。粘りは見せたが、勝てる試合を落としてしまった。全国の壁を打ち破ることが出来なかった。9月7日、大阪市舞洲で行われた第48回全日本大学男女ソフトボール選手権大会(インカレ)に出場した学友会ソフトボール部は、初戦の鹿児島国際大学との試合に3対6で敗れた。



 試合は1回、先攻の本学は先頭打者の成山が中安で出塁。バントとエラーで3塁に進みチャンスを迎える。しかしクリーンナップの児玉・櫻井が凡退し無得点に終わる。

 守りでは投手の櫻井が好調で初回から2者連続三振を奪うなど最高の立ち上がりみせた。2・3回も櫻井は完璧な投球をみせて相手を寄せ付けない。しかし攻撃陣はチャンスを作るものの得点が入らず、流れが変わり始める。

 試合が動いたのは4回裏、振り逃げからランナーを出した直後、初ヒットを打たれ先制を許した。ここから試合の雰囲気が大きく変わり、互いに得点を取りはじめる。

 5回表、高瀬の犠牲フライで1点を返した直後、代打吉沢も犠牲フライを放ち逆転。東北ベンチは盛り上がりを見せる。しかしその裏、満塁のピンチで3点タイムリーを喫す。外野の決死のダイビングもおよばず再度の逆転を許した。これにより流れは完全に鹿児島国際大学に移った。

 6回表には池ヶ谷のタイムリーヒットで1点を返すも、裏には2点を失い、3対6で7回へ。最後は成山のライナー併殺で万事休す。全国大会の1回戦で本学は敗退した。

~後輩に託す夢の続き~

 全国大会に出場した学友会ソフトボール部には2年半のドラマが存在する。今回報道部では主力として活躍したキャプテンの櫻井康平さん、監督の菱沼大貴さん、不動の先頭打者を務めた成山英幹さんに取材を行った。(以降 敬称略)

「なんだこの部活は……やる気はあるのか。」高校時代に全国大会を経験した櫻井は、当時のソフトボール部にこういった印象を抱いた。練習中にはサッカーを行ったり、ほとんど練習に来ない先輩などに櫻井は驚愕。高校時代からの盟友、成山や同じく高校で全国大会の出場経験を持つ菱沼も同じ気持ちだった。「1年の時の大会予選で、先輩たちが泣いている。練習もしてない人が本当に悔しいと思っているのかと考えた。」

 櫻井は北海道大学のチームで奮闘する高校の同級生を羨ましく思ったという。この試合の後、菱沼は現状に失望し部活を辞めた(後に復帰)。先輩や一部の同級生と対立しつつも櫻井や成山は「上が絶対」と我慢し続けた。

 ソフトボール部が変わり始めたの、2年生の全国大会予選敗退後の時期である。敗退後、先輩たちは全員が引退してしまったので1、2年生だけで大会に挑まなければならなくなった。そこで彼らは一丸となってチーム改革を始めた。

 改革に貢献したのは櫻井や菱沼らの全国大会経験者だけではない。特に池ヶ谷は硬式野球のトレーニングをアレンジして導入するなどチームの実力向上の立役者である。こうして敗戦後、チームは厳しいトレーニングに突入した。「東北は雪が降るので練習環境が良くない。加えて地下鉄の工事もあり、グラウンド環境は非常に悪かった」と部員一同は述べる。しかし、彼らの情熱と徹底的な練習は東北の雪を溶かしたのである。

 効果は春に現れた。チームのセンターラインが強化され、ピッチャーの櫻井を中心とした守りと成山を中心とした攻めが確立され、勝てる試合が増え始める。春のリーグ戦前には1週間で10試合を行うなど実戦経験も積んだ。「春からは試合が楽しくて楽しくて。自分が成長している実感もあったし、三振を奪う快感がたまらなかった」と櫻井は語る。成山も「知り合いが大学でもソフトボールを続けているのでコイツ達が来るから頑張る、という気持ちになれた」と話した。チームの雰囲気も2年前とは大きく変わり和気藹々としつつも、勝てるチームのものへと変化したのである。

 こうしてチームはインカレ予選を突破し全国へと駒を進めたのである。弱小チームから東北の強豪へ。わずか2年半の出来事であった。

「全国大会では負けてしまったことは悔しいが、ここまで来れた充実感はある。後輩には、ふたつの夢を託したい。ひとつは私立大学に勝てるチームになること。資金力の差を情熱で克服してほしい。もうひとつは全国大会で1勝をあげること。夢を託したい。」櫻井らの表情は晴れ晴れとしていた。彼らは単に全国大会に出場したのではない。どの大学、団体にも負けない夢と希望を残した。

 学友会ソフトボールがある限り、彼らの夢には続きがある。
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