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【震災研特集】「生きる力」防災に生かす ~災害科学国際研究所③災害情報認知研究分野~

 災害情報認知研究分野は、震災を乗り越えて生きていくための力、「生きる力」を心理学や脳科学等の観点から研究し、人々の防災に生かしていこうという分野である。





 災害科学国際研究所の設立前、当分野では「被害は大きくならないだろう」、「逃げなくても大丈夫」などといった思い込みによる誤った判断を防ぐための防災教育を中心とする活動や実践を行っていた。当研究所の発足後は、人間の心を中心に研究していた心理学、脳科学の研究者が共同して「生きる力」プロジェクトを立ち上げ、研究をスタートした。

 プロジェクトでは、初めに津波の被害を受けた東北地方沿岸部に住む 80人にインタビューを行った。震災当時、またその後の状況において、どのような困難があり、どのように対処したのかをインタビューし、回答を踏まえてアンケート調査票を作成。大規模なアンケート調査を実施した。

 1400人以上の調査データに対して統計学的分析を行った結果、震災を乗り越えるためには8つの「生きる力」が必要だということが判明した。「人をまとめる力」、「問題に対応する力」、「人を思いやる力」「信念を貫く力」、「気持ちを整える力」、「きちんと生活する力」、「人生の意味の自覚」、「生活を充実させる力」の8つである。具体的には、震災が発生した際に住民を高台へ誘導する、避難生活においてもストレス発散・健康維持のための運動を行うなどといった行動のことである。

 判明した「生きる力」は、今後様々な方向へ発展させていくことが期待されている。国民一人ひとりがゲームを通して災害時に対応する知識を身に付ける訓練や、8つの力をバランスよく備えた集団を作るため、地域ごとに異なる防災教育に生かしていくことなども考えられている。「生きる力」を実際の防災にどのように活かしていくかが、今後の課題だ。
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