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【ネタ記事】何でも10秒でチャージしてみた ~朝起きられないすべての人へ~


 新緑が萌え、風薫る五月のこと。新たなセメスターが始まってから早一ヶ月が過ぎていた。 新たな環境での生活にもだいぶ慣れてくる頃であろう。「慣れ」によって心にゆとりのある生活を送ることができれば、それは素晴らしいことだ。しかし行き過ぎた「慣れ」は、時に慢心を生む。




 具体的には、遅刻や自主休講、金と睡眠時間確保のための朝断食を覚え出し、堕落した大学生活を送る羽目になる。筆者も人の子、例外ではない。朝食と睡眠を天秤にかけた結果、睡眠が圧勝。朝食を犠牲にして遅刻ギリギリまで寝ている。午前中のエネルギー源はもっぱら水道水だ。なんと健康に悪い生活だろうか。

 せめて1日のスタートとなる朝食だけでも何とかしたいが、そんな暇があれば寝たい。葛藤の末に辿り着いた答え。それは、「朝食を10秒で済ませば万事解決」。いわゆる10秒チャージであった。思い立ったが吉日、早速報道部員たちに10秒チャージするに相応しいものを募った。

 部員たちが食料を持ってくるまで、まずは小手調べとして○ツ矢サイダー(300㍉㍑)のチャージを試みる。この程度、5秒でチャージしてくれるわ! その結果は、なんと22秒。……は? 炭酸は10秒チャージに向いてなかったと自分に言い聞かせ、前哨戦はドロー、いや、無かったことにした。

 そうしている内に、部員Nが食料を持ってきた。何を持ってきたのかな? 期待を膨らませた筆者の目に飛び込んできたのは、青汁、赤まむしドリンク、豆乳(コーラ味)、ちくわ……。申し訳ないがギャグでも笑えない。しかし持ってきて貰った手前、頂かない訳にはいかず、すべてをチャージした。その結果、ドリンク類は勢いと根性で10秒チャージできたが、食べ物はどうしても咀嚼が必要なため、時間がかかってしまったことが悔やまれた。

 次に現れたのは部員S。そして指定した食料は……何と生卵2個であった。「これを食えと?」「うん」「生で?」「うん」「ロ○キーかよォ!」生卵そのままで飲むとなると流石に大リバースの恐れがあったので、醤油で味を付け、さらにといた状態でチャージすることを許可された。勢いを付けて一気に生卵をあおる。途中で止めたら死ぬ。恐怖感に駆られながら飲み干したタイムは15秒。白熱したクロスゲームを展開できたことに、10秒チャージャーとしての自信が芽生えた。

 その後はガ○ガリ君を始め、ラムネ(お菓子の方)や食パン、板チョコといった数々の強者と対戦。どれも激戦であったことは想像に難くないだろう。10秒でチャージ出来たものはわずかであったが、対戦を重ねる毎に10秒チャージャーとしての誇りが自分の中で大きくなっていった。

 武者修行に明け暮れていると、部員Kがミンテ○アを持ってきた。しかも数あるミンテ○アシリーズの中でも、それがもたらす冷涼感はトップクラス。今までで最も手強いだろう。K曰く、無理強いはしないとのこと。だが、もう心は決まっていた。誇り高き10秒チャージャーは、挑まれた戦に背を向けることは決して許されない。例えそれが、命を懸ける戦であっても。

 覚悟を決め、ミンテ○アと対峙する。いざ尋常に、チャージ! 大量の粒を一気に口へ放り込んだ。噛み砕いた次の瞬間、体内が凍りついた。呼吸もままならない。それでも構わず粒を放り込み続け、42粒を喰らい尽くしたその時。「……オエッ」冗談抜きでえづいてしまい、筆者は一目散に水道へ走った。戦闘不能となり、試合終了。筆者の胃袋も既に限界を迎えていたため、10秒チャージ列伝はこれにて終劇となった。

 今回の企画で、ゆとりを持つことがいかに大切かを身に染みて感じた。焦っても何も良いことはない。むしろ、ゆとりを持つことで見えてくるものもある。どうか皆さん、ゆとりのある生活を送って欲しい。今では筆者も改心し、生活にゆとりを生み出している――朝食だけでなく1限も犠牲にして。
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