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【ニュース】本学チーム世界3位 生体分子ロボット世界大会

 生体分子ロボットの国際大会である「BIOMOD」が11月1日から3日にかけて米国ボストンのハーバード大で開催され、本学からの出場チームである「Team Sendai」が総合3位入賞を果たした。今回は、チームの代表者である石原瑛暉さん(工・3)に話を伺った。

―「BIOMOD」とはどのような大会でしょうか
 「BIOMOD」は、正式には「国際生体分子デザインコンペティション」という名前の生体分子ロボットの大会です。2011年に始まったこの大会は今年で4回目の開催となり、世界各国から30チームが参加しました。 生体分子とはDNAや脂質、タンパク質など、生体を構成している高分子有機化合物のことを指しています。世界中の大学生チームがこの生体分子を用いたナノ・マイクロシステムの設計と製作を自分たちで行い、その成果を競い合うのです。具体的には、成果をまとめたウェブページと動画、そしてプレゼンが採点され、これらの合計点数で順位が決まります。

―「Team Sendai」について
 私たちのチームは3年生以下の学部生13人で構成されています。3年生以下なら誰でも参加できるので、様々な学部・学科の生徒が参加しています。基本的に学生が主体となって研究を行いましたが、先生方や過去に出場した先輩方からたくさんのアドバイスやご協力をいただきました。

―今大会で行った研究内容について
 異なる配列をもつ一本鎖DNAを任意の順番で放出する「万能DNA生成装置」を作製しました。この装置は「入力テープ」と「箱」から構成されています。「入力テープ」は出力されるDNA分子の情報が端から順番に記録された一本鎖DNA(入力DNA)であり、「箱」は入力テープに書かれた情報を順に読み取って、対応する一本鎖DNA(出力DNA)を出力します。実際には、「箱」はDNA等の分子群を表します。これに入力DNAを加えると、出力DNAが順々に放出される、というものです。分子システムの制御や、複雑なDNAナノ構造の組み立てには一本鎖DNAを順番に加える必要があります。これまで逐次手作業で加えていましたが、その自動化が望まれていました。私たちはこれを実現するために、DNA分子計算の原理を用いた反応ネットワークをデザインしました。一定量の出力DNAが出力されると、反応ネットワークは別の一本鎖DNAを放出します。このDNAは次の出力情報が読まれるように入力DNAの状態を更新させるはたらきがあります。そしてまた入力DNAに書かれた情報が読み取られて出力DNAが放出されるのです。これを繰り返すことで自動化を実現することができました。

―大会を振り返って
 本当はライバル校であるドイツ・ドレスデン工科大を抑えて優勝を飾りたかったのですが、ドレスデン工科大が2位、東北大が3位という悔しい結果となりました。振り返ってみると、研究はうまくいったのですが、私たちの英語力不足と研究内容の「伝え方」が原因だったように思えます。海外勢はアピールの仕方がよく訓練されており、一枚上手でした。それでもWiki部門、そしてプレゼン部門で入賞できたことを誇りに思います。来年のメンバーにはこれらの経験をしっかりと伝えていきたいです。

―大会を通して得られたことは何ですか
学生実験や講義とはまったく違った、実践的な研究を学部生のうちに経験することができたと同時に、チームプレーの大変さを知ることができたというのが大きいですね。研究方法をチーム一丸となり考えてプロジェクトを進めていくので、難しさを感じた分達成感も得られました。研究の喜びと厳しさを知り、自分の財産とすることで、まだまだ新しいこのバイオロボティクスという分野の発展に貢献していきたいと思います。


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