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【ネタ記事】24時間ヘヴィメタル ~クリスマスからの逃避~

 12月の仙台では、街はどことなく浮足だっている。クリスマスを控えているからだ。定禅寺通りのケヤキ並木は電飾により輝いているし、通り過ぎる人々もそわそわと落ち着きがない。そんな街のざわめきは、リアルが充実していない人間には辛いばかりである。




 なんとかしてクリスマスの存在を忘れたい。そう考えた筆者は、へヴィメタルを24時間聴き続けることを思い立った。クリスマスを吹き飛ばすほどの勢いがあるものはへヴィメタルしか思いつかなかったためだ。

 12月中旬の某日14時、企画を始めた。まずは元祖ヘヴィメタルとの評価を受けているブラックサバスから始める。どことなくオカルトな雰囲気の歌声を聴いていると、筆者も生きたハトやコウモリをかじれるのではという自信が湧いてくる。これぞクリスマスとは無関係の境地だ。あと23時間で、さらにへヴィメタルの世界に没入しようと決意する。

 その後はスラッシュメタル四天王、某メタルゴッドなどを順次聞いていき、あっという間に7時間が経過。全く飽きる気配もなく楽しく聞いていられる。当初は辛いかもなどと思ったが、やっぱり24時間とか余裕ではないか。マリリンマンソンのえぐいPVを観ながら思わず微笑む。途中から参戦した部員Kも、割合楽しそうにソーセージでエアドラムをしている。

 順調に深夜を迎える。深夜1時に消灯し、ここでテンションは最高潮に達した。テンション高めのボーカルに合わせて歌っている間、筆者は完全にクリスマスのことなど忘れていた。

 しかしこの後異変が起こる。深夜2時を回ると全員のテンションがガタ落ち。単純にこのとき再生した曲が心に響かなかったからなのだが、そのことで全員の疲労が露わになってしまった。その後も選曲でミスを重ね続け、無言の時間が続く。夜が明けると部員が1名帰宅し、残された部員2名はもはや惰性で楽曲を聞き続けた。

 翌昼の12時、企画から22時間。ここらで一旦気合を入れなおそうと、へヴィメタルのなかでもハードな部類のデスメタルを投入する。筆者も部員Kも新風の登場に心機一転かと思われたが、あろうことかこの間2人とも眠ってしまった。他にもっと落ち着いた曲があったのに、なぜこれが子守歌になったのか、と愕然とした。

 そうこうしているうちに24時間が経過した。聴いた曲はのべ309曲。アルバム30枚に加え、単発で9曲聴いた。本企画により得られた知見としては、音楽を楽しんで聞くには連続12時間程度に留めるのが良いことと、24時間音楽を聴き続ける行為はひとりではできないということである。この24時間の修養を経て、クリスマスに打ち克つ強い精神力を養えたのではないだろうか。そう思い街に出た筆者は、定禅寺通りのカップルに結局敗北したのであった。
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