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平成のゴールドラッシュ! ~涌谷町で砂金採り~

 ゴールデンウィーク―― 。4月29日「昭和の日」に始まり、5月5日「こどもの日」に至る大型連休を指す。旅行したり、帰省したり、飲みに行ったり。休み方は自由、思う存分に羽根をのばす人は多いだろう。




 しかし、筆者は財布を見て愕然とする。遊ぶ時間はあるが、遊ぶ金がない。ゴールデンウィークが……。黄金週間が……。黄金、黄金……、ん、黄金? 筆者は気付く。黄金を掘れば一攫千金。ゴールデンウィークはおろかしばらく遊べるはずだ、と。

 だが、金鉱脈でも見つけないと金は簡単に採掘できない。困った。考え込む筆者。いや、砂金がある。川岸の砂をさらえば、わずかな金が採取できるらしい。調べてみると涌谷町の「天平ろまん館」という施設で砂金が採れるとのこと。善は急げ、筆者は同じく金欠の部員Tと仙台から約1時間かけて涌谷町へ向かった。

 涌谷町は、日本で初めて金が産出したことで有名だ。奈良県の東大寺大仏建立に大量の砂金を献上したという史実も残っている。きっと涌谷町に行けば金はザクザク。ゴールデンウィークにうつつを抜かす世間をしり目に、筆者とTはゴールドラッシュの真っただ中だ。

 「天平ろまん館」に到着。施設の隣は由緒正しい「黄金山神社」。さすがは日本初の金の産地、黄金の大鳥居をくぐってこの日の成果を祈願する。ゴールドラッシュ、金運成就、一攫千金……。欲にまみれた筆者とTは、いよいよ砂金の採取へ向かった。

 「天平ろまん館」の砂金採取は大人一人600円で30分勝負。水を張った砂場にパンニング皿という側面が波打った皿で砂をすくう。水や石、砂鉄と比べて砂金は比重が重いという特徴を利用し、皿をゆすって砂を落とし砂金を皿の下に沈めて採取する。

 早速、筆者とTは砂場に皿を突っ込む。すくってはゆすり、すくってはゆすりを繰り返す。皿の底がキラキラ光っても正体は雲母。砂金でさえ簡単に採取できない。やっぱり下心丸出しで神社にお参りしたバチが当たったか。

 開始15分、幼稚園以来の砂いじりだなぁと思っているとTが声をかけた「これって……」。筆者がTの皿をのぞくとひときわ美しい輝きが。「砂金だ!」。ついに砂金を発見し、ゴールドラッシュの兆しが訪れた。しかし、現実は甘くない。その後、どれほどすくいゆすっても雲母が残るだけ。ついに、声がかかる。「終わりです――」

 筆者は呆然と皿を見る。「ダメかぁ……」すると、皿の端で何かが光った。神は見放さなかったようだ。急いで採取、施設の方に確認すると「これは、黄鉄鉱です」と冷たく言い放った。一攫千金の夢ははかなく散った。

 5月2日現在、金の相場は1グラム4811円。しかし、砂金はあまりに小さく、鉱物的価値も低い。結局、交通費の方が高くつく大赤字の筆者とTだった。
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