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浅田次郎氏講演会開催 ~お米と日本人の関係語る~

 作家の浅田次郎氏の講演会が5月21日に仙台市青葉区、勝山館にて本学医学部同窓会である艮陵同窓会により、開かれた。
「お米と日本人」と題されたこの講演には艮陵同窓会生のみならず多くの市民が訪れ、耳を傾けた。



                   
 江戸時代から第二次世界大戦にかけての時代を題材にした作品が多い浅田氏。執筆の際に読みこんだ資料から得た知識をもとに、現代に至るまで続くお米と日本人の関係を語った。

 浅田氏は普段我々が意識することのない、お米の影響を受けた日本独自のものとして給与体系をあげた。江戸時代に下級の侍に与えられた俸禄は、扶持米と切米に大別されたという。扶持米とは一日当たり5合与えられるものであり、切米は春、夏、冬の3回に分けて支給される。賞与と月給からなる一般的な給与体系が扶持米と切米に由来すると知った聴衆からは驚きの声が上がった。

 さらに氏は明治期に貨幣による経済へと変化した後も、政府は徴兵の際に兵隊の食事をかつて武士が食していた一日5合を上回る一日6合にすることで国民へのアピールを行ったことを説明。米の持つ影響の大きさを強調した。続いてかつて江戸病と称されていた脚気を引き起こすビタミンB1の欠乏の原因が、玄米に比べて栄養素の少ない白米の過剰な摂取であり、兵隊を集めるための政策には問題点があったことにも言及した。

 講演会の最後には流行の炭水化物制限ダイエットが生んだ、お米が健康を害するものであるという風潮に対し、昔の日本人は一日にお米を5合食べていても健康であったと指摘。誤解の元が現代人の運動不足であることを訴え、古くから続くお米の食文化を断ち切ってはならないと警鐘を鳴らした。
講演会 8911845638392250698
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