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【ネタ記事】臥薪嘗胆やってみた ~薪の上で寝る・肝を食べる~

 筆者は激怒した。必ずやあの後輩たちを見返してみせると。事件は11月某日の部室で起こった。報道部の仕事で封筒に「東北大学」と書くところを「東」の字を間違い「車」と書いてしまった。するとそばにいた後輩たちが大爆笑。筆者は恥辱に耐えその場を去った。「この辱めを忘れてはならない……いつか見返してやらねば」と誓う筆者の耳に時代や場所を超えて古代中国から金言がもたらされる。「今こそ臥薪嘗胆のときアルヨ」




 臥薪嘗胆とは故事成語の一つで「復讐を成功するために苦労に耐える」という意味である。由来としては呉の王であった夫差は薪の上で寝ることの痛みで屈辱を思い出し、越王勾践は苦い肝を嘗めることで屈辱を忘れないようにしていたことからだとされている。今回はかつて夫差と勾践が実践したことを筆者も実際に行い、屈辱を忘れないようにすることにした。

 まずは、「薪の上で寝る」だ。部室から薪を持ち出し、自宅の床に広げ即席の寝床を作る。見た感じかなり寝心地が悪そうだ。辟易としつつも電気を消し薪ベッドに入る。服で覆っている箇所はそれほどではないが頭を薪においた途端、チクッとした痛みに襲われる。木のとげが刺さったのだ。頭の位置を変えてもそこにも木のとげ。かなり不快だ。さらに寝返りを打とうとすると木の固さで全身がきしむような痛みに襲われる。隣にあるいつも寝ているベッドがふかふかそうで恨めしい。「ぐああああああ……」断末魔のような悲鳴をあげながらもなんとか眠りについた。結局、夜中に何度も痛みで目を覚まし、屈辱を忘れないようにするという苦しさを存分に味わった。

 明くる日の晩、今度は「肝を嘗める」に挑戦だ。スーパーで買ってきたサンマ(216円)をまな板の上にのせる。魚をさばいたことなどない筆者は、四苦八苦しながらもなんとかサンマの肝を取り出す。見るからに臭そうだ。顔に近づけるだけで魚の生臭い臭いが鼻を刺激し、それだけで気分が悪くなってくる。2、3分ほど逡巡した後、意を決して肝を口に含む。「ぐおわああああああ!」あまりの生臭さとぬめぬめとした気持ち悪さに口に含んでわずか2秒で吐き出してしまった。すぐさまトイレに駆け込む筆者。しかし本当の地獄はこれからだった。口の中に魚の生臭さが残ってしまったのだ。何を食べようとも魚の生臭さがついてまわり、歯磨きや口をゆすいでもなかなか臭いは落ちない。すっかり魚の臭いがトラウマとなってしまった筆者であった。

 「臥薪嘗胆」はよっぽどの事で無い限りするべきでない。夫差や勾践のように重い理由があるならまだしも筆者のようにくだらない理由で行ってしまうとかなり悲惨な目に遭ってしまう。あまりおすすめはしないが、どうしてもしなければならないときは覚悟を決めた方が良いだろう。
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