報道部部室が一時移転中です

川内サークル部室棟(新サ棟)の内装工事に伴い、報道部部室が
【川内・サークル部室棟Ⅱ 410号室】
に一時的に移転しています。
アクセス方法などの詳細はこちらをご覧ください。
他団体の配置などはこちら

祝・七大戦連覇!448号(次号)で特集します

東北大学が今年の七大戦も制覇、2年連続14度目の総合優勝を飾りました!
14度目の総合優勝は、京大に並び最多タイです。
参加団体の皆様おめでとうございます。
次号の東北大学新聞では七大戦優勝を取り上げます。発行は10月中~下旬です。
合わせて、北海道胆振東部地震に被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。

東北大学新聞447号読者プレゼントを実施しました

東北大学新聞としては恐らく初めてとなる、読者プレゼントを実施しました。

プレゼント:「ディズニー・アート展」ペア招待券 5組
※応募は締め切りました。

当選された方には招待券を送付いたしました。ぜひお楽しみください。

今年度の課外活動奨励賞を受賞!

報道部は、今年度の東北大学基金課外活動奨励賞を受賞いたしました。今回は27団体が受賞しました。
報道部の受賞はこれで3年連続になります。ありがとうございます!
学内外の皆様に読んでいただける記事、新聞をこれからも発行し続けて参ります。

読み込み中

【書評】『神様2011』 川上弘美 講談社

 川上弘美さんの小説が好きだ。幻想的で不思議な雰囲気なのに、どこか日常を思わせる。例えば、本書に収録されている「神様」の冒頭。「くまにさそわれて散歩に出る。川原に行くのである」




 「え、くまって、あのくま? 散歩に出る? くまと?」まあまあ、そう焦らずに。川上作品をたしなむためには、その「?」をいったん頭の隅に追いやることが大切なのである。とにもかくにも、くまと散歩に出るそうだ。「くまは、雄の成熟したくまで、だからとても大きい。三つ隣の305号室に、つい最近越してきた」。なるほど、それでそれで――こうして読者は、川上さんの小説世界へどっぷり浸ってゆく。くまと一緒に川原を歩き、弁当を食べ、昼寝をし、一日の終わりに抱擁を交わす。それはきっと「悪くない一日」であろう。

 ひとたび川上さん独自の世界に足を踏み入れると、日常と幻想の境界が曖昧になる。流れるような文体は心地よく、おまけに作中で描かれる食べ物からは、素朴ないい香りが漂ってくる。「ジブリ飯」ならぬ、「川上飯」といったところか。居心地よし、料理よしの川上ワールド。隣の部屋にくまが越してくるとしても、一度住んでみたい気もする。

 しかし、どうだろう。いったん住み始めてみたら、案外すぐに慣れてしまうものなのかもしれない。「あのこと」以来、私たちは知ってしまった。どんな非日常な出来事も、恐ろしいほど身近で起こってしまえば、それはいつしか日常と化してしまうのである。

 「神様2011」は、川上さんのデビュー作である「神様」の次に収められた作品だ。「神様」同様、「くまにさそわれて散歩に出る」話だ。構成も文章も、前出の「神様」とほとんど変わらない。優しく淡々とした雰囲気もそのままだ。

 だからこそ、日常に混じった非日常が、生々しさを持つ。作中に散りばめられた、「防護服」「SPEEDⅠ」「被曝許容量」「ストロンチウム」「ガイガーカウンター」……。語り手の「わたし」も、くまも、別段驚きもせず散歩を続ける。「『あのこと』の前は、川辺ではいつもたくさんの人が泳いだり釣りをしたりしていたし、家族連れも多かった。今は、この地域には、子供は一人もいない」。

 震災後、確かに日常は変わってしまった。あの日以前の暮らしに戻ることは、もうできない。「それでもわたしたちはそれぞれの日常を、たんたんと生きてゆくし、意地でも、『もうやになった』と、この生を放り出すことをしたくないのです。だって、生きることは、それ自体が、大いなるよろこびであるはずなのですから」。あとがきに添えられた川上さんの言葉である。今日も変わらず、日常は続いていく。
文芸評論 7112250991876166874

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