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【論点】就活ルールが変わる? ~キャリア支援センター長に聞く~


 一般社団法人日本経済団体連合会(経団連)が2021年4月以降に入社する新卒学生の「採用選考に関する指針」を廃止する方針を昨年10月9日に発表した。その後の協議の結果、今まで経団連が定めていた就職活動に関するルールが、今後は政府主導で作成される。本件について、文部科学省学生・留学生課から大学側に平成30年10月31日付事務連絡「2020年度(2021年3月)卒業・修了予定者の就職採用活動に関する日程等について」で通知があり、20年度卒業生(現学部2年生)については現行ルール(広報開始3月、採用選考開始6月)と同じとする連絡が来ている。また、21年度以降も急激な日程変更は行わない方針であることが言われている。



 欧米では通年採用がほとんどであり、即戦力の人材が求められている。日本でも通年採用が行われた場合、本学キャリア支援センターの秋田次郎センター長(経済学研究科教授)は「学生は自己研さんを積む必要があり、企業が採用する学生の質向上につながると考える向きもある」と語る。他にも、交換留学の際に、就職活動のスタートが遅れたり、やむなく帰国を早めたりするといった問題の解消が期待されている。

 一方で、就職活動に関するルールの変更に際し、いわゆる「青田買い」による就職活動の早期化や、低学年から学生を囲い込むことで生じる長期化などが懸念されている。それにより、学業への悪影響や進路選択の強制といった問題につながる可能性もあるとされている。



「キャリア」を考える


 「『就職活動ルールの変更』に翻弄されることなく、今すべきことに集中することが大切」と秋田センター長。平均寿命が伸びた現代社会では、豊かな人生を送る上で、長期的な視点で自分のキャリアについて考えることが重要だという。

 秋田センター長によると、「キャリア=就活」と捉えている学生は多く、採用活動が近づくにつれて、慌てて将来を考え始める例も少なくない。また、企業へのインターンシップも、就職活動の一環としてではなく、大学では得られない体験をすることが目的であり、大学生活にフィードバックすることが求められる。

 キャリア支援センターでは、学生が将来に向けた準備ができるように、キャリア支援プログラムの活用モデルを提示している。また、進路や就職に関する相談はもちろん、首都圏での就職活動の拠点として、新宿に民間会社が運営する休憩施設を設けている。「就職活動に対する不安や疑問があったら、ぜひ相談してもらえたら」と秋田センター長は話す。

 現在は好景気に支えられている日本だが、2020年の東京オリンピック前後の景気変動によっては、就職活動のルールが変更される可能性がある。秋田センター長は、「社会が学生に求めることは変わらない。しっかりとした専門性とスキルを身につけてほしい」と学生に対して呼び掛けた。
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