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【ニュース】本学 ブラック企業大賞の特別賞を受賞 解消と改善へ

 東北大学がブラック企業大賞2013特別賞に選ばれた。第二回となる本賞であるが、今回はワタミフードサービス株式会社や株式会社ベネッセコーポレーション(以下「ベネッセ」という。)に加え国立大学法人東北大学がノミネートされ大きな話題となった。



 ノミネートに際しては、法に抵触する行為、若しくはそれに準ずるグレーな行為があったことやパワハラ事件が発生したことなどが選定基準とされている。本学の場合、病院薬剤部助手の自殺(‘07年)、及び工学研究科准教授の自殺(‘12年)、理学部における卒論受け取り拒否による学生の自殺(‘08年)とセクハラ問題(‘13年)などがノミネート理由とされた。ネット投票の結果、本学は三位のベネッセの三倍に近い3472票を獲得しネット投票二位、残念ながら特別賞を受賞した。

ブラック企業大賞企画委員会は東北大学について、教員二名の死亡事故を挙げ「すべての教職員と学生が安全に暮らせるようにすべき」と述べた。


「ブラック」評価の解消を目指す 兵頭英治 副学長

今回の受賞について兵頭英治副学長(法務コンプライアンス担当)にお話を伺った。

―大学側は今回の受賞についてどのように考えているのか

 裁判中の事案もあるので個別の事案へのコメントは差し控えさせていただくが、事故を決して忘れないという思いは皆にあるし、ご遺族の悲しみが容易に癒されるものではないが大学としても誠心誠意尽くして対応してきたところである。今回の受賞という報道で学生や教職員に心配な思いをさせて申し訳ない。このような形で取り上げられるのは極めて不本意で残念だ。外部からのそのような評価も解消してやるぞという思いも持って悲しみを根絶する取組に全力を尽くしていきたい。

―今後、どのような行動を起こしていくのか

 東北大学として「ブラック」と呼ばれるものを決して許容しないという基本姿勢をキチッと示していく。同時に、社会の模範たるべき公器として、またワールドクラスの教育研究機関として「人が集い、学び、創造する、世界に開かれた知の共同体としての大学」を構築していかなければならない。先般里見総長が発表した里見ビジョンの理念にもあるように教育研究現場力の向上を目的とし、すべての教職員・学生が相互に人格・尊厳を尊重し合うやりがいのある環境を作っていく。具体的には「日常から追い込まれる環境をいかになくすか」と「万が一追い込まれた時の個々人の支援(セーフティーネット)」を柱としていく。また、それらでカバーできない表面化しにくい問題を解消するために全体としてハラスメントを意識していくオープンな環境の構築を目指す。ハラスメントはその基準が個人によって異なり、ある一律のラインを設定することが難しい。それでも繰り返し訴えかけを行い、一人ひとりがその問題を正しく理解し、行動していくことこそが決め手と考えている。

―最後に学生、教職員に一言

 「ブラック」やハラスメントは深刻な人権侵害です。誰もが被害について救済を求める権利があります。大学は皆さんの悩みや困難を真摯に受け止め、秘密厳守で一緒に考えます。一人で悩まないでください。大学は責任を持って皆さんの力になることを約束します。

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