映画『アイネクライネナハトムジーク』公開記念 文芸作品の聖地を巡る ~好みの作品に思い馳せ~
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聖地巡礼という言葉がある。本来、宗教において重要な意味を持つ地を参拝して回ることをいう。しかし近年では、漫画やアニメの舞台や映画やドラマのロケ地など、ファンにとって「聖地」ともいう場所を巡ることにも使われる。
「せっかく仙台にいるのだから聖地巡礼をしよう」無論、後者の意味である。実は、仙台市はさまざまな作品の聖地として有名だ。例えば漫画『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない』の杜王町のモデルや、アニメ『Wake Up, Girls!』の舞台などになっている。
仙台ゆかりの作品が多く、どの作品の聖地巡礼をするか悩むことになる。ただ定禅寺通を歩いているだけで、実は何かしらの作品の聖地巡礼をしているかもしれないのだ。しかし、聖地巡礼という以上、作品への思いに浸りながら複数箇所を巡礼したい。
そこで、昨年9月に公開された映画『アイネクライネナハトムジーク』の聖地を巡礼することにした。原作は伊坂幸太郎の同名小説。ご存じの方も多いだろうが、伊坂幸太郎は仙台在住であり、本作の舞台は仙台市だ。映画の撮影地にも仙台が選ばれ、全てのロケシーンが仙台市街や店舗を使って行われた。各所で配布されたりインターネットに掲載されたりした「ロケ地マップ」があるため、巡礼もしやすい。
映画を見て、地図を手に早速巡礼へ向かう。まず向かうのは仙台駅西口ペデストリアンデッキだ。ここは、三浦春馬演じる佐藤と、多部未華子演じる本間紗季の最初の出会いのシーンで使われた。映画のシーンを思い出しながら、ペデストリアンデッキを歩く。背景に写っていた建物などから、およそこの位置だろう、という場所へたどり着いた。ここで、佐藤は10年付き合うことになる紗季と偶然の出会いを果たすのだ! 物語の始まりの場所ということもあり、感動はひとしお。出会いのシーンの他にも、ギターで弾き語りをする斉藤さんのシーンもここだった。夕暮れ時になると、斉藤さんではないが、実際に弾き語りをしている人がいることもある。しかし、この日はいなかった。一つ残念なことがあったとすれば、劇中で伏線にもなる大型ビジョンがないことだ。恐らく合成で作られたのだろう。まっさらなビルの壁に心の中で大型ビジョンを思い浮かべた。
続いて訪れたのは、仙台駅西口地下駐輪場。高校生の織田美緒と久留米和人が、駐輪シールを盗む犯人を捕まえようとするシーンで使われた。多くの人が利用するこの駐輪場は、地下2階まであり、そこで撮影は行われた。シールを買わない人が犯人の可能性が高いということで、2人は券売機を見張るのだ。誰もが券売機でシールを買っているようだったため、この聖地を後にする。なお駐輪以外の目的で駐輪場に入るのは他の利用者の迷惑になるため、ご遠慮願いたい。
最後に訪れたのは、錦町公園。佐藤と紗季の出会いから10年後、佐藤からのプロポーズの後、紗季は2人が同棲した家から実家へ帰ってしまう。数日後、ペデストリアンデッキでバスに乗りこむ紗季を見つけると、佐藤は自分の思いを伝えるべくバスを走って追いかけ、2人はここで再会を果たすのだ。
錦町公園は、広い芝生に生い茂る木々、ベンチが点々と並ぶ、落ち着いた雰囲気の公園だ。北側の道路には、「錦町公園前」のバス停がある。白い楕円の屋根と柱が特徴的なこのバス停は、面白いことに劇中では「木町通三丁目」として登場する。仙台に木町通は存在するが、それは2丁目まで。3丁目は存在しないのである。
他にも、ロケ地となった場所はたくさんある。佐藤の通勤のシーンは青葉通、佐藤が紗季にプロポーズするために誘ったディナーの撮影はウェスティンホテル仙台で、その他の美容室や飲食店のシーンも仙台にある店舗が使われている。『アイネクライネナハトムジーク』だけでなく、さまざまな作品の舞台である仙台。お気に入りの作品の聖地巡礼をしてみてはいかがだろうか。
「せっかく仙台にいるのだから聖地巡礼をしよう」無論、後者の意味である。実は、仙台市はさまざまな作品の聖地として有名だ。例えば漫画『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない』の杜王町のモデルや、アニメ『Wake Up, Girls!』の舞台などになっている。
仙台ゆかりの作品が多く、どの作品の聖地巡礼をするか悩むことになる。ただ定禅寺通を歩いているだけで、実は何かしらの作品の聖地巡礼をしているかもしれないのだ。しかし、聖地巡礼という以上、作品への思いに浸りながら複数箇所を巡礼したい。
そこで、昨年9月に公開された映画『アイネクライネナハトムジーク』の聖地を巡礼することにした。原作は伊坂幸太郎の同名小説。ご存じの方も多いだろうが、伊坂幸太郎は仙台在住であり、本作の舞台は仙台市だ。映画の撮影地にも仙台が選ばれ、全てのロケシーンが仙台市街や店舗を使って行われた。各所で配布されたりインターネットに掲載されたりした「ロケ地マップ」があるため、巡礼もしやすい。
映画を見て、地図を手に早速巡礼へ向かう。まず向かうのは仙台駅西口ペデストリアンデッキだ。ここは、三浦春馬演じる佐藤と、多部未華子演じる本間紗季の最初の出会いのシーンで使われた。映画のシーンを思い出しながら、ペデストリアンデッキを歩く。背景に写っていた建物などから、およそこの位置だろう、という場所へたどり着いた。ここで、佐藤は10年付き合うことになる紗季と偶然の出会いを果たすのだ! 物語の始まりの場所ということもあり、感動はひとしお。出会いのシーンの他にも、ギターで弾き語りをする斉藤さんのシーンもここだった。夕暮れ時になると、斉藤さんではないが、実際に弾き語りをしている人がいることもある。しかし、この日はいなかった。一つ残念なことがあったとすれば、劇中で伏線にもなる大型ビジョンがないことだ。恐らく合成で作られたのだろう。まっさらなビルの壁に心の中で大型ビジョンを思い浮かべた。
続いて訪れたのは、仙台駅西口地下駐輪場。高校生の織田美緒と久留米和人が、駐輪シールを盗む犯人を捕まえようとするシーンで使われた。多くの人が利用するこの駐輪場は、地下2階まであり、そこで撮影は行われた。シールを買わない人が犯人の可能性が高いということで、2人は券売機を見張るのだ。誰もが券売機でシールを買っているようだったため、この聖地を後にする。なお駐輪以外の目的で駐輪場に入るのは他の利用者の迷惑になるため、ご遠慮願いたい。
最後に訪れたのは、錦町公園。佐藤と紗季の出会いから10年後、佐藤からのプロポーズの後、紗季は2人が同棲した家から実家へ帰ってしまう。数日後、ペデストリアンデッキでバスに乗りこむ紗季を見つけると、佐藤は自分の思いを伝えるべくバスを走って追いかけ、2人はここで再会を果たすのだ。
錦町公園は、広い芝生に生い茂る木々、ベンチが点々と並ぶ、落ち着いた雰囲気の公園だ。北側の道路には、「錦町公園前」のバス停がある。白い楕円の屋根と柱が特徴的なこのバス停は、面白いことに劇中では「木町通三丁目」として登場する。仙台に木町通は存在するが、それは2丁目まで。3丁目は存在しないのである。
他にも、ロケ地となった場所はたくさんある。佐藤の通勤のシーンは青葉通、佐藤が紗季にプロポーズするために誘ったディナーの撮影はウェスティンホテル仙台で、その他の美容室や飲食店のシーンも仙台にある店舗が使われている。『アイネクライネナハトムジーク』だけでなく、さまざまな作品の舞台である仙台。お気に入りの作品の聖地巡礼をしてみてはいかがだろうか。