【一言居士】―2019年10月―芋煮
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蒸し暑い夏は終わり、少し肌寒い日々が続く。季節はすっかり秋。芋煮の季節だ▼本学学生ならご存じの芋煮。仙台市内の河原を訪れると、鍋を囲む人々が目に入る。鍋の中にサトイモや肉といった材料を入れ、みそやしょうゆで味付けする。出来上がった芋煮を器に盛り、口に運ぶ。河原で芋煮に興じる人々の姿は、仙台の秋の風物詩だ▼大学進学を機に、ひとり暮らしをはじめ早数年。学業や部活動、家事に追われる日常は想像以上に忙しい。多忙のあまり、季節の移ろいに気付くことができない日もある▼日々の忙しさに恋しくなるのは、長期休暇。自由な時間を過ごしたい。休暇の始まりを期待しながら、講義を受ける▼長期休暇の度に仙台を離れ、さまざまな街を訪れた。初めて足を運んだ場所や人との出会いは心躍らせる。しかし、ふと寂しさを感じることもある。いつも顔を合わせる研究室や部活の仲間への恋しさからだ▼長期休暇も終わり、今日も大学へ向かう。道中思い描くのは、仲間と行う芋煮会。秋空の下、芋煮を食べれば、仲間と過ごす時間のぬくもりが身に染みるに違いない。
(文責・中里)