公共政策大学院~チームで政策立案、提言 独自過程で実務能力養う~
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本学公共政策大学院の西岡晋院長に、入学やカリキュラム、就職について聞いた。特色の公共政策ワークショップをはじめとした実務能力を養成するプログラムで、公務員から民間企業まで、幅広く人材を輩出する。(聞き手は田中芙郁)
公共政策大学院院長の西岡晋さん (同氏提供) |
―公共政策大学院とは
公共政策に関わる現場で働くための、専門的で高度な知識を身につけることが目的の大学院です。一般的な大学院である「研究大学院」が研究者の養成を目的とするのに対し、「専門職大学院」の一つとして、公共政策に関する理論を学びながら、公務員など公共的な人材に求められる資質や、実際の業務を行う能力を身につけることができます。
―入学者の内訳は
平日の日中に講義を行うという事情もあり、学部卒後に入学する学生の割合が多いですが、社会人も入学しています。今年度は学部卒業後入学が22名、民間企業職員が6名、公務員が3名、法人職員1名の合計32名が入学しました。
―本学公共政策大学院の独自な点は
公共政策ワークショップです。四つのテーマについて、7、8人のグループで調査や論文の執筆を行う、ゼミのような授業です。ゼミと違う点は、活動をチーム単位で行うこと、過去や現状の分析のみならず、政策提言を行い、最終発表で実際に業務に携わる方に発表を見てもらうことです。テーマは担当する実務家教員(注)の専門分野で決まります。今年度は地方創生、孤独孤立対策、経済安全保障、ダイバーシティ&インクルージョンです。
―どうすれば入れるか
本学の学生は内部進学特別選抜、第Ⅰ期入試、第Ⅱ期入試の3度、受験の機会があります。第Ⅰ期入試は10月ごろ、第Ⅱ期は1月に行われ、小論文の論述試験と口述試験を課しますが、内部進学特別選抜はGPAが2・5以上、もしくは国家公務員総合職試験に合格していれば、書類提出と口述試験のみで受験が可能です。
―修了後の就職先は
修了生の4割が国家総合職や地方上級職などの公務員、6割が民間企業に就職しています。民間企業の業種は幅広く、金融、サービス、シンクタンク、報道などがあります。文系の院卒は就職が難しいという意見がありますが、公共政策大学院で身につくコミュニケーション力や課題解決能力は、民間企業での就職活動においてもアピールポイントになります。
―「進学は実務経験後の方が良い」とも聞く。学部卒で進学する意義は
働きながらの通学が難しい、モチベーションのあるときが学習に最適という2点があると考えています。内部進学特別選抜の合格者などは、TA制度があり、経済的な負担も大きくありません。最近ではEBPM(根拠に基づく政策立案)という考え方も生まれ、政策立案に求められる専門性も上がっています。日本の政策能力を上げるためにも、多くの学生に、大学院進学を考えてほしいです。
【注】
・実務家教員 省庁から赴任している職員。今年度は国土交通省、農林水産省、厚生労働省、警察庁、総務省、環境省から就任。