【ニュース】国立大協会「限界」 財務状況の悪化で
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全国の国立大学法人からなる国立大学協会は先月7日、国立大をめぐる状況が危機的であるとして、財務状況の改善や国立大への協働を求める声明を発表した。基盤経費が減少傾向にあることに加え、必要経費が増加して「実質的に予算が目減りし続けている」としている。自ら収入を増やす努力も進めているが、「もう限界」と訴えた。
国立大の運営費交付金は今年度1兆784億円で、2004年度比で13%減額した。義務的経費が上昇して優秀な人材確保が困難となり、教育研究の質の低下が危惧されると主張。期限のある計画が増えた影響で、40歳未満の教員では任期付きの不安定な雇用が過半数となった。
声明で、国立大は今後も「文化、社会、経済を支える拠点であり、産業、教育、医療、福祉などに十全の責務を負っていく」と述べている。基本的な役割として、世界最高水準の教育研究の実施、知の循環と社会への還流、高等教育の機会均等の確保、人材育成、地方創成の中核としての機能などを挙げた。約65%が三大都市圏以外の学生であることも国立大の特徴だとして、地域における人材育成の役割を果たしている考えも示した。
国立大の授業料は年額53万5800円を標準に、各大学で2割までの増額が認められる。本学学務課は授業料引き上げについて、準備段階にある「国際卓越研究大学」の計画期間を含めて「現時点で検討していない」と本紙の取材に答えた。学生への経済支援拡充は「博士課程学生に限らず検討していきたい」とした。国際卓越研究大は授業料設定を柔軟化できる可能性を、政府の総合科学技術・イノベーション会議が提示していた。