【欧州紀行2012―⑤】スロバキア・ブラティスラバ ドナウ川の隠れた見どころ
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<スロバキア・ブラティスラバ>
オーストリアとスロバキアはかつて、共産主義と資本主義の境界線という複雑な関係だった。しかしそれも今となっては昔のことだ。私を乗せたウィーンからのバスは国境線に停止することなく、ブラティスラバに到着した。
バスから降りた私を歓迎したのは、大気に舞った埃と何とも形容しがたい旧共産圏特有の雰囲気だった。ひとまずブラティスラバ中央駅に向かったのだが、珍しいものを見るような目線で地元の人たちは私を観察している。中央駅は首都とは思えないほどにコンパクトな駅で、雑然としていた。また、排気ガスをモクモクと排出しているタクシー、集団で旅行者に物乞いをしているホームレスなど、隣町ウィーンでは決して見られなかった光景が広がっていた。しかし、これこそ私が今回の旅で味わいたかった街の感覚である。人々が生きているリアリティーと活気あふれる街を感じたかったのだ。
このようにブラティスラバはウィーンとはたった40キロしか離れていないのに全く違った様子を体験できる。ぜひウィーンを訪れる際はブラティスラバにも足を延ばしていただきたい。ウィーンに勝るとも劣らない素晴らしい街である。
ブラティスラバはスロバキアの首都で、ウィーンからわずか40キロにある。が、観光に訪れる方はおそらく少ないだろう。事実、ブラティスラバで東洋人を一人も見かけることはなかった。しかし、風光明媚なこの街を訪れないのはあまりにも惜しい。そこでブラティスラバを余すことなく紹介していこう。
オーストリアとスロバキアはかつて、共産主義と資本主義の境界線という複雑な関係だった。しかしそれも今となっては昔のことだ。私を乗せたウィーンからのバスは国境線に停止することなく、ブラティスラバに到着した。
バスから降りた私を歓迎したのは、大気に舞った埃と何とも形容しがたい旧共産圏特有の雰囲気だった。ひとまずブラティスラバ中央駅に向かったのだが、珍しいものを見るような目線で地元の人たちは私を観察している。中央駅は首都とは思えないほどにコンパクトな駅で、雑然としていた。また、排気ガスをモクモクと排出しているタクシー、集団で旅行者に物乞いをしているホームレスなど、隣町ウィーンでは決して見られなかった光景が広がっていた。しかし、これこそ私が今回の旅で味わいたかった街の感覚である。人々が生きているリアリティーと活気あふれる街を感じたかったのだ。
中央駅からブラブラと歩きながら街を散策したのだが、コンパクトにまとまっていて非常に面白い。おしゃれな旧市街、美しい景色を見渡せる展望台、そして可愛らしいブラティスラバの城など、見どころは沢山ある。特にドナウ川にかかる展望台からの景色はブラティスラバを一望できるのでオススメだ。受付のお姉さんも美人で心がウキウキ。はしゃいだ私は目的も無く、適当にバスに乗ったらどこへ着くのかという試みをしてみた。
全くわからない場所でブラブラすることは、遠足の前日の感覚に非常に似ている。その高揚感が私を支配し、何時の間にか街の外れへと出てしまった。
はしゃいだ代償は非常に大きなものだった。とりあえず予約した宿を探そうとするが、街の外れなので何もわからない。バスやトラムの路線もガイドブックに書いていない。先ほどの高揚感はどこへやら、絶望が私を襲ってきた。何とか歩き回ってみると、中央駅行きのバスを発見して飛び乗る。そして中央駅で、迷うことなくタクシーに乗車した。勿論、タクシーはぼったくりであったが致し方ない。結局、3時間ほどの迷走、異様に高いタクシー料金という代償を払うことになってしまったのだった。
夕食は近くのレストランでとることにする。そのレストランで飲んだワインは極上だった。赤ワイン、白ワイン、そしてビールも美味しい。食事も宿がおすすめするように非常に充実している。是非ともブラティスラバに訪れた際には、ワインを飲んでみていただきたい。
今回宿泊したのは人生初のバス・トイレ共同の宿だった。3つの部屋にバス・トイレがひとつ。少しビビった気持ちがあったが、宿側が気をつかってくれたのか両隣は空き部屋で快適に過ごせた。ただ、部屋が若干寒かったことと、翌朝の起床が隣の工事現場の音だったことが不満な点であった。
このようにブラティスラバはウィーンとはたった40キロしか離れていないのに全く違った様子を体験できる。ぜひウィーンを訪れる際はブラティスラバにも足を延ばしていただきたい。ウィーンに勝るとも劣らない素晴らしい街である。