【さぁくるどうでしょう】(31)写真部
写真部には現在、52名が在籍しており、さまざまな学部の部員が活動している。彼らが一堂に会し活動の軸となっているのが、毎週開かれる「例会」だ。部員たちはこの場に自らが撮った写真を持ち寄り、互いに講評したり、アドバイスをしあったりする。例会は撮影の技術やセンスを高め合う、勉強会のような役割を担っている。
写真部員の目標の一つは、写真展に出展する写真を撮ることだ。例年は大学祭や宮城県美術館、せんだいメディアテークを会場とし、年に3回写真展を開催している。「写真を撮るだけなら誰でもできる。しかし、仲間と腕を磨きあい、さらにその成果を展示するということは、写真部でしか味わうことができない」と神田さんは話す。今年は対面形式での写真展が中止になっているものの、大学祭ではオンライン形式での展示を検討するなど、模索を続けている。
写真展の中止に限らず、新型コロナウイルス感染症の流行は活動に大きな影響を与えている。普段は大学の教室や部室で行う例会も、現在はオンラインミーティングツールのZoomを用いた形で実施している。Zoomでの例会では常に1人しか話せず、1作品ずつ紹介するため時間がかかってしまうなど、オンラインならではの不都合も多い。一方で、春の新歓では参加者を例会に招待し雰囲気を味わってもらうなどの工夫が功を奏し、新入生をはじめ9人が入部した。
「思い出を形にして残せること」「目で見えないものを表現できること」。神田さんが考える、写真の魅力だ。昔から星が好きだった神田さんは、高校2年のときに天体写真を撮るようになったことが、写真やカメラと触れ合うきっかけだったという。もっといろんな写真が撮りたい、そんな思いから大学では写真部への入部を決めた。
部員の半数弱は入部時に未経験者だったという写真部。課外活動の制限状況を鑑みつつ、秋からはカメラを身近に触れられる形での新歓も行いたいと考えているという。また、新歓期間に限らず写真部では、一年を通して部員を募集している。
神田さんは新入生に対し、「今年は、TwitterなどのSNSでしか交友関係を持てていない人も多い。でもそうしたつながりと、部活動でのつながりは質的に全く違う。新入生にはぜひ、部活動に所属してほしい」と話した。そのうえで「入部に必要なのは経験や技術ではなく、写真に対する興味だけ。もし少しでも興味があれば、写真部に遊びに来てほしい」と呼びかけた。写真部、どうでしょう。