【新連載】大学のウラ側のぞいてみたら 第1回 総長・プロボスト室 大学を支える精鋭12人
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「やる気のない人は、ここでは仕事がないと思います」。冗談交じりにそう話すのは、本学「総長・プロボスト室」経営企画スタッフの小野一俊さんだ。本学総長の直属であるこの部署には、本学の未来を見据えて日々奮闘する、12名の職員の姿があった。
新連載「大学のウラ側のぞいてみたら」。第1回は、総長・プロボスト室に潜入した。
(松本琉太)
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フレキシブルに動く
総長・プロボスト室は、本学の事務組織の一つ。通常の部署が縦割りの組織構造であるのに対し、同室は総長とプロボストの「直属」となっており、他の部署から独立している。新プロジェクトの立ち上げなど、一つの部署では決められない事柄を横断的に取り扱ったり、総長らが重要と判断した業務を担当したりしている。
前身は16年前に設置された「総長室」。当時、国立大学で初めて東京大が設置し、後を追うように本学でも設置された。総長の補佐を務める役職である「プロボスト」が5年前に設置されたことをきっかけに、今の名称に改称された。
本部棟(片平キャンパス)内、総長・プロボスト室のオフィス。 打ち合わせによる外出のため、空席が目立つ。 「寂しく見えるでしょ」と同室メンバー |
現在のメンバーは12人。学内から若手の優秀な職員が集められている。とはいえ、12人が部屋にそろうことはめったにない。「大体みんな打ち合わせに出ていますね。忙しい人だとほとんど部屋にいなかったり」。取材を行った水曜の午前も、部屋にいた職員は5人だけ。机に目を移すと、デスクトップパソコンだけではなく、ノートパソコンも目立つ。部屋の様子は、小野さんの「メンバーが常に、フレキシブルに動いている」という言葉を裏付けている。
3連覇のやりがい
同室の業務内容は、データ戦略や法人評価業務など多岐にわたる。昨年同室が作成した本学初の「統合報告書」は、総長らの発案企画だった。数ある業務の中でも、小野さんの思い入れが最も深い業務は「世界大学ランキング」だという。
本学はタイムズ・ハイヤー・エデュケーションの発表する「THE世界大学ランキング日本版」で、2020年から3年連続1位に選出された。小野さんは、プレゼンや説明会などを通して本学のPR活動に尽力した。「自分の仕事が客観的な指標で評価されることは、大きなやりがいでした」と話す小野さん。来年の発表に向けても、すでに準備を始めているという。
大学をより良く
大学のためになることを自ら企画立案し、部署にかかわらず横断的に取り組むのも、同室の大きな特徴だ。現在本学で進められている「DX(デジタルトランスフォーメーション)」も、20年に同室が立案した。これまで紙媒体が多かった書類や資料をデジタルに集約し、業務の効率化、簡素化を図っている。プロジェクトチームは学内公募。60人ほどのメンバーが自主的に集まり、本学は「国立大学の中でも業務のDX化が進んでいる大学」(小野さん)に成長した。
同室での勤務は8年目となる小野さんだが、異動当初は全く仕事がなかった。「『大学をより良くしたい』。みんなその一心で仕事をしています。だから熱意を持って自分で見つけていかないと、仕事がないんです」。日々闘志を燃やし、大学の未来のために奮闘する。総長・プロボスト室からは、そんな気概が感じ取れた。