【院進と結婚特集】大隅副学長インタビュー~研究にかける時間 男女で隔たり大きく~
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大隅副学長は2001年から、女性研究者の支援に取り組んでいる。中でも育児中の働き方について、リモートワークのようなフレキシブルな働き方の導入を主張してきたが、意見は取り上げられてこなかった。
コロナ禍以降、状況は一変。出勤停止命令が出て、次々と在宅勤務に関する制度が整った。「『なーんだ』という感じ」と、拍子抜けした一方で、「遅れていた日本の改革を進める機会になった」とポジティブにも捉えている。
育児に関わるのは女性のみではない。大隅副学長は、「どうしても育児や家事の負担が女性に押し付けられてしまっている」ことを今後解決すべき課題として強調する。研究に使える時間には男女で大きな差があるという。性差に関わらず、研究に時間をかけて取り組める環境の実現はいまだ遠い。
学生や教員をめぐる男女格差の問題は、研究時間にとどまらない。本学男女共同参画推進センターは2020年、博士院生と教員の比率が男性では1以上であるのに対し、女性では0・5程度であると発表。教員内での絶対的な比率にも男女で大きな差が見られ、大学で研究を続ける割合には隔たりがあると示した。
本学は学内保育園や軽症病児保育施設、女性限定公募の実現などで、女性研究者を支援する。加えて、女子大学院生によるサイエンス・アンバサダーが小中高生へ科学や研究の魅力を伝える活動を行い、次世代の研究者育成も目指す。同センター長の田中副理事は、「さまざまな取り組みが行われ、女性研究者は増加の傾向にある。支援制度をより一層改善し、女性の採用を増やすにはどうすべきか考えていきたい」と意欲を見せる。