【研究成果】若年層の投票率低下による損失を算出 経済学研究科・吉田浩教授
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本学大学院経済学研究科の吉田浩教授は若年層の投票率低下による損失を算出した。これによると、若年層の投票率が1%低下することにより、1人当たり13万5千円の損失になることが分かった。
この内訳としては、将来負担となる国債が7万5300円、若年世代と高齢世代の社会保障給付の差が5万9800円である。
まず将来負担となる国債の額の算出には、1967年から2012年までの24回の衆・参国政調査で若年世代の投票率と新規国債発行額の関係を分析した。
次に社会保障給付の差の算出については、1976年から2009年までの世代別の投票率と社会保障給付の世代別配分の関係を分析した。
政府には、国民のために政治をする理想的な政府と、投票率などに左右される利己的な政府の2種類がある。これを分析する学問分野を公共選択といい、現在の日本は投票率が高く、人口も多い高齢者世代に有利な政策が展開されている。一方で若年層については、少子化と並行して投票率も30%前後と低めなことから、若年層の政府に対する影響力は低下している。
このような政策の影響もあり、現在の日本社会は世代間の貧富の差が拡大している。社会保障給付の対象は高齢者向けが圧倒的多数を占めており、増大する社会保障費を賄うため、年々国債の発行額が増加している。この返済のために増税は避けられず、消費税を増税することにより益々若年層に対する負担が大きくなっている。
この理由は、先に述べたように日本政府が利己的な判断により、政府にとっても投票率が高い高齢者に有利な政策を展開したほうが得だからである。高齢者1人が投票するのと若年層6人が投票するのとでは同じ重みがあり、投票率の低さも相まって高齢者重視の政策を展開せざるを得ない状況にあるからだ。
吉田教授は、「若年層は投票の権利を行使して投票に行き、政府がもっと若年層にも有利な政治を展開するようにすることが、将来的にも重要になってくる。そのためにはIT技術を利用した投票システムの向上などにより、より投票しやすい環境にすることも重要である。若者は投票に行くことのメリット・デメリットを理解して、政府や政治家に自分たちが影響力を持つことを行動で伝えていくことが不可欠である」と語った。
この内訳としては、将来負担となる国債が7万5300円、若年世代と高齢世代の社会保障給付の差が5万9800円である。
まず将来負担となる国債の額の算出には、1967年から2012年までの24回の衆・参国政調査で若年世代の投票率と新規国債発行額の関係を分析した。
次に社会保障給付の差の算出については、1976年から2009年までの世代別の投票率と社会保障給付の世代別配分の関係を分析した。
政府には、国民のために政治をする理想的な政府と、投票率などに左右される利己的な政府の2種類がある。これを分析する学問分野を公共選択といい、現在の日本は投票率が高く、人口も多い高齢者世代に有利な政策が展開されている。一方で若年層については、少子化と並行して投票率も30%前後と低めなことから、若年層の政府に対する影響力は低下している。
このような政策の影響もあり、現在の日本社会は世代間の貧富の差が拡大している。社会保障給付の対象は高齢者向けが圧倒的多数を占めており、増大する社会保障費を賄うため、年々国債の発行額が増加している。この返済のために増税は避けられず、消費税を増税することにより益々若年層に対する負担が大きくなっている。
この理由は、先に述べたように日本政府が利己的な判断により、政府にとっても投票率が高い高齢者に有利な政策を展開したほうが得だからである。高齢者1人が投票するのと若年層6人が投票するのとでは同じ重みがあり、投票率の低さも相まって高齢者重視の政策を展開せざるを得ない状況にあるからだ。
吉田教授は、「若年層は投票の権利を行使して投票に行き、政府がもっと若年層にも有利な政治を展開するようにすることが、将来的にも重要になってくる。そのためにはIT技術を利用した投票システムの向上などにより、より投票しやすい環境にすることも重要である。若者は投票に行くことのメリット・デメリットを理解して、政府や政治家に自分たちが影響力を持つことを行動で伝えていくことが不可欠である」と語った。