【特別インタビュー】NHK 畠山智之アナウンサー ~プロになるほど遊ぶ~大学生活の過ごし方
https://ton-press.blogspot.com/2013/11/blog-post_89.html?m=0
ーご自身の大学生活を振り返って
私は日本大学の農獣医学部で学んでいました。農獣医学といってもカテゴリーが広く、私は食品分析をしていました。何をやるかというと、ハムやチーズを製造したり、食品に含まれる成分を分析したりするんです。今の仕事とは全然違う。今の仕事なんてやろうと思っていなかったからね。
勉強はほとんどしていなかったけど、キャンパスには必ず行っていた。友だちがいるからです。大学4年間の中で得たもののなかで今の仕事に役立っているのは、思い切り遊んだ仲間です。彼らが社会に散っているので、困ったときに何でも聞けるからです。例えば、以前に食品関係で問題が起きたというニュースがあった。その時、食品関係の会社に朝まで吐くほど飲み合った友人がいたんです。もう何でも聞けますよね。そういう仲間をたくさん作るのはやはり遊びが核だった。自分は徹底的に遊びました。プロになるくらい。
―プロになるほど遊ぶとは
一つのこだわりをもって何かに打ち込むことです。例えば、私の場合は海が好きだったのでヨットに乗りたいと考えた。でもお金は無い。そんな時、ヨット雑誌の後ろにクルー募集と出ていたんです。それをたどって三浦半島のヨットハーバーに行き、乗せてもらいました。ヨットのオーナーは、乗った人間は海の男として徹底的に鍛え上げる人だった。これが本当に勉強になりました。そこから海の怖さが分かるし、船の構造のこともわかる。風を読むとはどういうことなのかとか、そういうのも一個一個わかるわけ。そういったプロの遊びを知ると、誰かに趣味のことについて話を聞くときに、表面だけでなくもっと深く聞きたいという気持ちが生まれるんですよ。あるいはその聞く道筋が分かるようになる。遊んでいるといろんな興味がわいてくるんです。
―部活やサークル活動はされていましたか
落語研究会に入っていました。入学後にたまたま勧誘があって、落研(おちけん)に入りませんかと言われて。ズルズルと引っ張っていかれてそのまま入部という経緯でした。高校時代からは考えられないことです。でもやってみるとすごく面白かった。まずは落語を聞きに行くことから始めるわけだけど、落語はテレビでしか見たことがなかった。初めて実際に寄席に行ってみて、そこでのしきたりや噺家の話し方に引き寄せられた。見事にはまってしまいました。
―大学生のアルバイトに対してどのようにお考えですか
ぜひするべきだと思います。アルバイトというのはプロの世界に入ることです。それぞれのプロの仕事を学生時代に見る、体験するというのは、うわべで見ているよりずっと自分を高めてくれる。たとえば、レストランを外から見るとき何となくこんなイメージだというのはあるけれど、中に入ってみると、お客さんにいかに温かい食事を提供するかという努力があったりノウハウがあったりする。そういうプロの仕事にあらかじめ触れておくと、将来、自分が就く仕事の具体的なイメージがしやすいし、そこに向けての勉強ができるようになると思うんです。実際の体験を通して本当にこれは面白いと惚れることができるから、そのために自分の専門性を高める勉強ができたりする。
私はもっとアルバイトをすればよかったと後悔しています。とはいっても20種類以上はやったんですよ。例えば建築現場の廃材を出す仕事であるとか、駅で甘栗を炒って売る仕事であるとか。漬物売りもやった。「ラフォール原宿」のエレベーターを組み立てたこともあります。それでも物足りなかった。さらに多くの仕事の裏側を知りたかった。
(インタビューは東北大学新聞新入生歓迎号を改訂したものです)
私は日本大学の農獣医学部で学んでいました。農獣医学といってもカテゴリーが広く、私は食品分析をしていました。何をやるかというと、ハムやチーズを製造したり、食品に含まれる成分を分析したりするんです。今の仕事とは全然違う。今の仕事なんてやろうと思っていなかったからね。
勉強はほとんどしていなかったけど、キャンパスには必ず行っていた。友だちがいるからです。大学4年間の中で得たもののなかで今の仕事に役立っているのは、思い切り遊んだ仲間です。彼らが社会に散っているので、困ったときに何でも聞けるからです。例えば、以前に食品関係で問題が起きたというニュースがあった。その時、食品関係の会社に朝まで吐くほど飲み合った友人がいたんです。もう何でも聞けますよね。そういう仲間をたくさん作るのはやはり遊びが核だった。自分は徹底的に遊びました。プロになるくらい。
―プロになるほど遊ぶとは
一つのこだわりをもって何かに打ち込むことです。例えば、私の場合は海が好きだったのでヨットに乗りたいと考えた。でもお金は無い。そんな時、ヨット雑誌の後ろにクルー募集と出ていたんです。それをたどって三浦半島のヨットハーバーに行き、乗せてもらいました。ヨットのオーナーは、乗った人間は海の男として徹底的に鍛え上げる人だった。これが本当に勉強になりました。そこから海の怖さが分かるし、船の構造のこともわかる。風を読むとはどういうことなのかとか、そういうのも一個一個わかるわけ。そういったプロの遊びを知ると、誰かに趣味のことについて話を聞くときに、表面だけでなくもっと深く聞きたいという気持ちが生まれるんですよ。あるいはその聞く道筋が分かるようになる。遊んでいるといろんな興味がわいてくるんです。
―部活やサークル活動はされていましたか
落語研究会に入っていました。入学後にたまたま勧誘があって、落研(おちけん)に入りませんかと言われて。ズルズルと引っ張っていかれてそのまま入部という経緯でした。高校時代からは考えられないことです。でもやってみるとすごく面白かった。まずは落語を聞きに行くことから始めるわけだけど、落語はテレビでしか見たことがなかった。初めて実際に寄席に行ってみて、そこでのしきたりや噺家の話し方に引き寄せられた。見事にはまってしまいました。
―大学生のアルバイトに対してどのようにお考えですか
ぜひするべきだと思います。アルバイトというのはプロの世界に入ることです。それぞれのプロの仕事を学生時代に見る、体験するというのは、うわべで見ているよりずっと自分を高めてくれる。たとえば、レストランを外から見るとき何となくこんなイメージだというのはあるけれど、中に入ってみると、お客さんにいかに温かい食事を提供するかという努力があったりノウハウがあったりする。そういうプロの仕事にあらかじめ触れておくと、将来、自分が就く仕事の具体的なイメージがしやすいし、そこに向けての勉強ができるようになると思うんです。実際の体験を通して本当にこれは面白いと惚れることができるから、そのために自分の専門性を高める勉強ができたりする。
私はもっとアルバイトをすればよかったと後悔しています。とはいっても20種類以上はやったんですよ。例えば建築現場の廃材を出す仕事であるとか、駅で甘栗を炒って売る仕事であるとか。漬物売りもやった。「ラフォール原宿」のエレベーターを組み立てたこともあります。それでも物足りなかった。さらに多くの仕事の裏側を知りたかった。
(インタビューは東北大学新聞新入生歓迎号を改訂したものです)