【紀行】大崎八幡宮 ~身近な名所でリフレッシュを~
2020年も、残り3カ月。やり残していることがないかとこの9カ月を振り返ってみると、今年はまだ旅行をしていないことに気が付いた。しかしこのご時世、Go Toキャンペーンをはじめとした旅行喚起政策が実施されているとはいえ、県外まで遠出するのはいささか気が引ける。だが家で過ごす時間が多い今だからこそ、非日常を感じられる場所に行きたい。そんな葛藤の末、仙台市内の近場にある観光スポットはないだろうかとインターネットで調べ、ヒットしたのが大崎八幡宮だった。これまでにも何度か耳にしてはいたものの訪れたことはなかったため、この機会に行ってみることにした。
仙台藩主伊達政宗公により祭られた大崎八幡宮は、国の重要文化財にも指定されている。中でも御社殿は安土桃山時代に建てられたもので、この時代に建てられた日本唯一の遺構として国宝に指定されている。歴史的価値の高さの一方で、本学学生にとって非常に親しみやすい側面もある。大崎八幡宮は本学の学生に人気の居住エリアである八幡地区に位置しており、星陵キャンパスや川内キャンパスからも歩いて行くことができる。
筆者の自宅から大崎八幡宮までは徒歩約15分。普段買い物をしているスーパーを通り過ぎてしばらく歩いていくと、現れたのは巨大な鳥居。住宅街の中にそびえたつ真っ赤な鳥居は、異世界へと導くかのようにどこか妖しげな雰囲気を醸し出している。鳥居をくぐり抜け、待ち構えていたのは約100段もある長い石段。自粛中に衰えた筆者の身体にはなかなかハードである。部活中らしき地元の中学生らに追い越されつつ、息を切らしながらもなんとか頂上までたどりついた。青々とした木々に囲まれた表参道を抜けると、ついに本殿とご対面である。筆者が訪れた日は御社殿の修理中のため残念ながら一部しか見ることができなかったが、漆で塗られた壁面に施されたきらびやかな装飾は息をのむほどの美しさだ。ゆったりとした時間の流れる境内を散歩しながら、久しぶりに自然を感じることができた。
新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、8月の七夕祈願祭や9月の例大祭は神職のみで催された。今年は観光客だけでなく、地元の人が神社に訪れる機会も減っているだろう。しかしこんなご時世だからこそ、自然に囲まれた神社でリフレッシュするのもよいかもしれない。
今まで知らずにいた、身近な名所への小旅行。この機会に、仙台の魅力を探してみてはどうだろうか。