一関市 展示化石 新種で国内最古 命名「イーハトーベンシス」
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石と賢治のミュージアム(岩手県一関市)所蔵の海生生物コニュラリアの化石が、広島大の児子修司博士の調査で、新種と判明した。児子博士により「パラコニュラリア・イーハトーベンシス」と名付けられ、発見されている中で国内最古のコニュラリアとなった。
実際の化石。四角錐状の殻が確認できる |
調査が行われた化石は2000年ごろに故七田清さんが一関市東山町で採集したもので、同ミュージアムで展示されていた。ミュージアムを訪れた児子博士がこの化石に着目し、本学の永広昌之名誉教授との調査に至った。
コニュラリアは四角錐状の殻を持った海生生物で、刺胞動物門、十文字クラゲ綱に属する。先カンブリア時代末期から中生代三畳紀にかけて生息したクラゲの仲間である。化石が発掘された東山地域は、大陸や日本列島の形成の影響を色濃く受けており、地質的に特異な場所として知られる。カンブリア系や、デボン系からペルム系など中部から上部古生界の地質が複雑に発達しており、今回見つかったコニュラリアはデボン紀に生息していたとされる。デボン紀当時は東山地域一帯が地殻運動の影響で浅海域となっており、コニュラリアが生息できる環境となっていた。
名前の一部の「イーハトーベンシス」は、宮沢賢治の著書で度々登場する「イーハトーブ」という岩手県をモチーフとした造語を由来としている。
現在、化石本体は、論文で種の基準に指定された標本であるホロタイプ標本も含め、多くの希少な化石とともに同ミュージアムで展示されている。