読み込み中

【寄稿】河北新報への掲載に際して、本学OBより

本紙『東北大学新聞』4月号が紙齢500号を迎えたことを受け、6月27日付の河北新報朝刊に弊部が取り上げられました。
河北新報朝刊(6月27日付)に掲載された記事

これを受けて本学OBの西川正吉さんから寄稿文をいただきましたので、掲載いたします。

 

 「東北大学新聞500号突破」の記事を河北新報朝刊(627日付)で拝読しました。新聞作りは大変な労力を要する作業ですが、それだけにやりがいのある楽しいものだと思います。500号突破おめでとうございます。

 記事の中で、理学部3年の渡辺湘悟さんは部員たちの身近な問題に対する率直な反応を、紙面を通して読者に伝えたいとのこと。学生の視点で社会を捉え発信していくことは、とても意義のあることだと私も思います。斬新な切り口、気付きがあり、社会へ大きなインパクトを与えることにもなります。経済学部3年の竹室斉紘さんは紙媒体の魅力を語っていました。さまざまな情報に接することによって、視野を広げ、物事を深く考える力がバランスよく養われていく、同感です。

 私は以前東北大学大学院教育学研究科で教育行政について学ぶ機会をいただきました。東北大学で学ぶことができたことを心から良かったと思っています。私の心を一番揺さぶったものは近代的な建物でもなく、蔵書の多さでもありませんでした。それは先生方でした。第一線で活躍されている先生方の下でその研究成果を学び、また人間としての温かさにも触れることができました。頭の活性剤と心の栄養という二つのものを一度に得ました。

 東北大学は旧帝大として、東大京大に次ぐ日本で3番目に創られた歴史のある大学です。その開学の精神の一つに「門戸開放」があります。女子学生への門戸開放、文豪魯迅をはじめとする外国人留学生への門戸開放、そして社会人への門戸開放。時代の流れをいち早く読みとり、数々の改革を行い、発展を続けるこの東北大学を修了できたことを誇りに思います。昨年11月、東北大学は世界トップレベルの研究力を目指す「国際卓越研究大」の第1号に認定されたとのこと。素晴らしいですね。心よりお慶び申し上げます。

──私──

 私は小学生の頃、新聞配達をしていました。幼い頃から新聞は私にとって空気のような存在です。かれこれ60年余り新聞を愛読しています。高校教員時代は新聞文芸部の顧問をしていました。新聞は人が生きていく上で、大切な情報、知識を授けてくれる信頼できる媒体だと思います。その新聞によって、私は救われました。

 50代の頃、ストレスから突発性難聴を発症し、耳が聞こえなくなりました。一時期、失意の中にありましたが、県教委や学校長からの合理的配慮や同僚からのサポートがあり、定年まで無事職責を果たすことができました。

 耳のことは諦めかけていた60歳の年、人工内耳で耳が聞こえるようになったという新聞記事が目に留まりました。すぐに専門医を訪れ、人工内耳の手術を申し出ました。手術は成功し今では人との会話や音楽を楽しめるようになりました。「情報」の大切さをこの時ほど強く感じたことはありません。

 情報を得るということは、チャンスを得ることにもつながっているように思います。情報(知識)は人生をより豊かなものへ導いてくれる存在。

 学生の皆さん、新聞をはじめとした信頼できるメディアを通して、明るい未来を切り開いていって下さい。東北大学新聞のますますのご発展を一東北大OBとして、ご祈念いたします。

2025年627日(金)



寄稿 8332215457241351845
ホーム item

報道部へ入部を希望する方へ

 報道部への入部は、多くの人に見られる文章を書いてみたい、メディアについて知りたい、多くの社会人の方と会ってみたい、楽しい仲間と巡り合いたい、どんな動機でも大丈夫です。ご連絡は、本ホームページやTwitterまでお寄せください。

Twitter

Random Posts