【ネタ記事】報道部体力テスト実施!
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「健康診断」。これは報道部員が最も恐れているイベントの一つである。日頃、運動不足が否めない部員は特に血圧部門ではデットラインをさまよっている。かつての健康的な身体は失われてしまったのだ。それでも不健康な身体であっても、運動神経は衰えていないだろうと高をくくっていた部員が重大な発表をした。「体力テストをやろう」。この発表には報道部内で反発の声も多数上がったが、運動不足の大学生からどんな結果が生まれるのかという好奇心が勝り、この企画は決行された。
体力テストは昼の部と夜の部の二回行われた。昼の部では第一種目はシャトルラン。もう二度と聞くことはないと思われていたあの音楽が流れてきたときには戦慄を覚えずにはいられなかった。一桁台のときには余裕が見られ、部員にも笑顔が垣間見えた。身体を動かすのもたまには良いじゃないか、そんな気分で走っていた。ところが、早くも30で異変が起こる。部員の一人が離脱してしまったのだ。そのあとは芋づる式に脱落者が続出し、結局三桁の大台に乗ったのは一人だけであった。その後、器具の必要ない種目、反復横跳び、50m走、立ち幅跳びを行った。シャトルランでライフがゼロになってしまった部員たちには悲壮感さえ漂った。なんとか、種目をこなし終えた昼の部のメンバーであったが、納得のいかない記録にメンバーは絶望顔であった。
計測を終えた昼の部のメンバーにかわって夜の部のメンバーが現れた。シャトルランで疲弊し、思うような記録を出すことができなかった昼の部の反省を踏まえて夜の部はシャトルランを最後に配置した。この配置が功を奏し、シャトルラン以外の科目はそれなりの成績を残すことに成功した。夜の部のメンバーたちは意外な好記録に気を許し、最後の敵「シャトルラン」にも自信を見せていた。しかし、「シャトルラン」の壁はそう甘くはなかった。
夜の部のメンバーたちも昼の部と同様、一桁台は余裕であると思われたが、一桁台から明らかに様子がおかしい人物がいた。運動が大嫌いと豪語するM氏はメンバーから大きく遅れをとっていた。誰もが冗談だろうと思っていたが、20くらいで彼が本気で苦しんでいるらしいことが理解できた。30を超えてM氏の脱落が現実味を帯びてくる。へろへろになった彼は最後の力を振り絞り、最後の輝きを放って散っていった。M氏は疲れから終了後に地面に横たわった。
40後半になり、先ほどまで横たわっていたM氏がようやく元気を取り戻した。すると、おもむろにシャトルランをしている場所にM氏が足を運んでいく。もう記録が決まっているM氏はあろうことか、他のメンバーの妨害をし始めたのであった。かつて、走っている人に「がんばれ」と励ましの言葉を贈った純粋な心は無くなってしまったのだ。記録を互いに高めあうという精神が微塵も見られないM氏は他のメンバーをあの手この手で笑わせにかかる。このM氏の行動に耐えていたメンバーであったが、50に乗ったところですし兄貴氏が撃沈。これに続き、次々とM氏の被害者が生まれてしまった。M氏のこの行動には多くの部員たちも激怒。この後に開かれたお疲れ様会にてこの罪を裁かれることになった。
体力テストを終えた部員の顔には疲れは残るものの、すがすがしさがあった。翌日以降におこる悲劇を知らずにお疲れ様会で盛り上がり、この大会は閉幕した。運動不足の報道部員たちが放送禁止状態を経て通常状態に戻るのに長い期間を要したのは言うまでもない。