【ネタ記事】映画館でポップコーン対決!映画一本でどれだけ食べられるのか?
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「お土産買ってきました。皆で仲良く食べてください」部誌に書き込まれたメッセージ、机の上には空の○い恋人。まただ。またこの流れだ。また一つも食べないうちに全部食われた。
どのサークルでもそうなのだろうが、ここではお土産、というか食べ物はすべて早い者勝ち、しかも何個でも食っていいみたいな暗黙のルールがある。部室のものはみんなのもの(俺のものは俺のもの)。先輩が隠してたすだ○さんも何枚か頂戴した。あれはバレバレだった、食べられたくないなら、もっとちゃんと隠すべきなのだ。
お菓子争奪戦の醜い争いで一番存在感を発揮するのが、現編集長である。図体のでかいバイクにピ○トとかいう米国かぶれの名前を付けて乗り回すふざけた輩だ。このまま、お土産を食われ続ける現状に甘んじて泣き寝入りするわけにはいかない。私は次第にやつに食べ物の恨みを思い知らせる方法を考えるようになっていた。どちらが本物の食いしん坊かわからせてやろう。それにあれだ、あの男は日ごろからロックロックと口を開けばロック、この際はっきりさせなければ。
映画一本見る間に何箱ポップコーンを食べられるかで勝負する事にした。腐るほどポップコーンを食べればポップスの良さもわかるだろうというあれだ。さあ食べ物の恨み、いざ晴らさむ。けちょんけちょんにしてくれるわ!!!! 一人に一人、ポップコーンの買出し係をつけ、2対2のチームに分かれて勝負開始。映画の最初に森の映画館からのおしらせとかいうのが流れてちょっとだけ心が痛んだ。純粋に映画を楽しまない自分を一瞬恥じた。だからこそ余計に負けるわけにいかなくない。
映画が始まり、私たちはあらかじめ決めていた位置でポップコーンをほおばりはじめた。うまい。久しぶりに食べた。塩加減がすばらしい。油もいいかんじだ。軽い。どんどんいける。これならいくらでもいけるんじゃないか。予算が不安になってきたぞ、まあいい、とんでもないことになったら部員からかつあげ・・・じゃない、募金を募れば良い。そんな調子でぱくぱくと食べ進めて、2箱くらいは何の問題もなく通過、追加で2箱注文した。いける。
しかし4箱目くらいから異変が私に襲ってきた。あごが痛い。ポップコーンの中心の部分が硬くて、噛んでいるうちに歯に詰まるわ、かみ締めないと潰れないわで顎をいじめすぎた。あまりにもかみ締めたせいか、こめかみの辺りが傷む。油っぽさとしょっぱさの戦いを想定していただけに、予想外だった。胃へのダメージは意外と少ない。いくらでもいけそうだ。あごさえ働ければ。
終了30分前、私は彼のポップコーン状況を偵察。4つ目をなんとか食べているというところだ。私は4つ目を完食。もう一ついけば、勝てる。今回映画には「キ○ツキと雨」を選んだわけだが、ここらのタイミングでなんか主人公とその息子がご飯を食い始めた。のり食ってる。ウインナーご飯にのせてのりでまいて食ってる、食べたい、ぱさぱさしてないものが食べたい。顎痛いよ。誰だよこんな企画考えたの、ポップコーンの豆みたいに爆発しろ・・・・・・・・
残る力を振り絞ってゆっくりと5つ目の箱を食べ進める。もう奥歯で噛むのがしんどいから溶かしながら前歯でかんだりした。唇が塩味だ。しょっぱいしひりひりする。しかし勝利は目前だ。思惑通り、私は勝利した。どうだ、これぞ下剋上である。負けたことを知った編集長は肩を落としてもう食べなくてもいいポップコーンを食べ続けていた。私は勝手に満足した。もう、お土産は2個食わせない。これを書いている今も物をかむたびにこめかみ痛に襲われている。キャラメルポップコーンでリベンジしたいとか言っとるが無視しよう。
結論、ポップコーンは顎さえ強ければ結構いける、顎いてぇ。
(このネタ記事は396号に掲載されました)