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【欧州紀行2012―⑥】ハンガリー ブダペスト・トカイ・エゲル ぼったくりタクシー / ハンガリーワインを求めて

 列車はハンガリーの首都ブダペストに到着した。ブダペストもスロバキアのブラティスラバと同じく旧共産圏の影響を色濃く受けている。埃と独特のつんとした匂いが再び私を出迎えて入れた。しかし、今回の旅で最も私の心に傷を与えた出来事が起こったのだった。予約した宿が発見できなかった私は仕方なくタクシーに乗ることにする。タクシーのおじさんはノリのいい人でいろいろと話が弾んだ。話にひきこまれていた私は驚異的なスピードで回るメーターを見落としていたのである。



 宿に着いた私は愕然とした。値段がとんでもないことになっていたからである。何と相場の10倍。しかし、こんなもんかと早々に諦め代金を渡したのだが……何と釣り銭までごまかされてしまっていた!気づいた時には時すでに遅し。怒りで打ち震えるがどうにもすることもできず、早々にベッドに沈むこととした……。
 さあ切り替えていきましょう。翌朝、ブダペストを意気揚々と散策。ブダペストには沢山の美術館や博物館が点在し、プラハに負けず劣らずの文化都市だ。勿論私も美術館を巡り、偉大な作品を鑑賞してきた。また、ブダペストにはヨーロッパ最大規模の市場が存在し、観光だけでなく生き生きとした人々の生活を体験することもできる。以前にも記したように、海外へ行く際はスーパー巡り是非とも体験していただきたい。特にブダペストの中央市場はオススメだ。そして、ブダペストの真の世界遺産と言われるゲッレルートの丘からの夜景も素晴らしいもので、何時間でも眺めていたくなる。彼女がいたら最高だろうなぁ、と幻想を抱きつつブダペストの夜は更けてゆく……。

今回の旅でいちばん長く滞在したのはハンガリーだ。今までは主に首都や大規模な街に訪れたが、ハンガリーでは世界に誇るハンガリーワインを飲むために、ヨーロッパの秘境とも呼べるような街も訪れることにした。

 ブダペストを後にした私は列車でトカイという小さな街へ向かった。トカイとはウクライナやスロバキアとほど近いワインの街で、名物トカイワインを生産するぶどう畑は世界遺産に登録されている。そんなトカイの街を訪れた私だったが、駅に着いた早々トラブルに見舞われてしまった。高校生の不良に囲まれてしまったのである!こっちは丸腰でひとり、相手は7~8人ほどいるだろうか……あまりに分が悪い。相手方は私を中国人と勘違いしていて、金銭または煙草を要求してきた。仕方がないので、私は日本人だと大声で叫び、英語で金も煙草も持っていないと言うしかなかった。結果として、何も取られることは無く、逆に日本の話をしてくれとせがまれてしまった。せっかくなので日本を紹介しつつ、ミル○―キャンディをプレゼントすると大喜びで街までの道を案内してくれた。思いがけない? 出会いも旅の醍醐味なのだ!

 その後はトカイの街を散策。様々なワインセラーを巡り、頭がグルグルし酔いつぶれるまでワインを沢山味わった。大した値段はかからなかったが、恐らくあの質と量のワインを日本で飲んだのならとんでもない値段になっていたのだろう。トカイの街もオススメだ。ただ、私は酔うと人に電話をかける癖があるようで、今回も例にもれず電話をしていた。国際電話料金が恐ろしい値段になっていたことは、旅が終わってから判明した話。
 ハンガリーの白ワインはトカイだが赤ワインといえばエゲルである。エゲルはブダペストとトカイの中間にある街でかつては要塞都市としてオスマン帝国を撃退した勇名を現在にも留めている。文化財の数はハンガリーで3番目に多く観光客も多い。そして「美女の谷」といわれるワインセラーが非常に有名で世界中のワイン好きを唸らせているようだ。私も世界のワイン好きにならい「美女の谷」を訪れることにした。

「美女の谷」には70以上のワインセラーが連なりエゲルの特産赤ワインである「エグリ・ヴィカヴェール」を主に生産している。季節柄か、閉まっているセラーも多かったが私を満足させるには十分な味とセラーの数だった。試飲一杯で120円程度かつ素晴らしい味なのでついついもう一杯を何度も繰り返す。ぐるぐるとセラーを周っているうちに私の頭もグルグルしてきた。そこでタクシーに乗ることにしたが、今回はセラーで頼んだので安心価格。ぼったくられること無く安全運転で宿まで送ってくれた。

「美女の谷」の話ばかりになってしまったが、エゲルにはエゲル城や教会、温泉など見どころは様々ある。ブダペストまで来たなら、エゲルまで是非足を延ばしていただきたい。

 翌朝再びブダペストへ戻り、遂にヨーロッパの火薬庫、バルカン半島の旧ユーゴ諸国へと進路を向けた。次回は旧ユーゴスラビア諸国の街を訪ねる。
紀行 4791050882039808973
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