【特別インタビュー】モーリー・ロバートソン氏 ~若者の力に期待寄せる~
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タレントでミュージシャンのモーリー・ロバートソン氏が、東北大学祭最終日に講演「EDMの歴史と日本音楽への反映」を行った。ユーモアあふれる語り口と実演を含んだ講演で大いに会場を盛り上げたモーリー氏に話を伺った。
―今回の講演会の感想は
会場の皆さんが講演内容をたくさん吸収してくれているという感じがして、楽しかったです。次にまた講演をする機会があったら、より大型のスピーカーで、皆さんにEDMの重低音を感じてもらいたいですね。EDMはおなかに響く音を感じることを前提に作られた音楽なので、今回の講演をきっかけに実際にクラブに行ってもらえたらそれが一番です。
―東北大生に抱いた印象は
やはり、真面目で賢そうだという感じがしました。今回の講演はEDM音楽の歴史と、技術的な面からの音楽の作り方を大体半分ずつ話したんですが、学生によってはもっと技術的な面に寄った、音響学的な観点からの解説をしたら面白かったのかもしれないと思いました。
―大学時代はどんな学生でしたか
爆発していた、という感じでした。ハーバード大には、強烈な個性を持つ学生や講師が世界中から集まるので、大学にいるだけで大きな影響を受けました。
僕の場合は完全に道を外れて、まともな勉強は全くしていませんでした。音楽にしてもいわゆる古典というのは一切やらずに、いきなりシンセサイザーから始めたんです。おかげで音楽系の学科からは必要な単位がもらえず卒業できなくて、映像系の学科から卒業したんですよ。そういうことがある程度許される環境でしたし、それを応援してくれる教授もいました。そんな環境の中で、卒業時には自分のやりたいこと、創造したいものの方向性を見定めることができました。
―これまでの人生の中で転機と呼べるような出来事はありましたか
ハーバード大にあるサンダーズ・シアターというステージに、フィリップ・グラスというクラシックの作曲家が演奏に来たことがあったんです。クラシックなのに大きなアンプや機材をステージに並べて、ものすごい太い音を出していました。過去に聞いたことがないような音楽に触れて、想像力のふたが取れたような気がしました。そこで味わった創造性や「自由であること」を他の人にも感じてほしいという気持ちは、その後の自分の活動全てに通底していることです。
―今の大学生に勧めたい芸術作品は
まずは「イージー・ライダー」。あれはすごいですよ。他に映画で言うとデヴィッド・リンチや、スウェーデンのベル・イマン、イタリアのフェデリコ・フェリーニが監督した作品を見れば美意識はかなり磨かれると思います。
─今の大学生に求めることは
僕を見習ってほしい点と、見習ってほしくない点があります。前者は興味のあることを見つけたら、周りの言うことを気にせずのめり込んでいってほしいということ。先日の渋谷のハロウィーンの騒ぎ(ハロウィーンに熱狂した若者たちで渋谷のスクランブル交差点がごった返した出来事。10人以上の逮捕者を出し、新聞やテレビで大きく取り上げられた)を見ても分かるように、若者は機会さえあればあんな風に熱狂する、そういう性質を本来備えているんです。でもそれで車をひっくり返したり痴漢をしていては前には進めないから、自分の持っている若者特有の性質を自覚した上で、それを興味の方向に向けてほしいです。
後者の方、見習ってほしくない点については、自分はあまりにやり方が不器用でした。とにかくいろんなものに手を出してきたんです。それを無駄とは思いませんが、結果には直結していないなとも思っています。また、自分はお金は汚いものだという哲学をずっと持っていて、いろんな活動をほとんど無償でやっていました。でも新しいもの、盛り上がるものってお金がないと作れないんです。映画で言うと、結局自分は、自分のいるシーンを前に進めることのできない「シーンの中の一人」で終わってしまったなというのが心残りとしてありますね。そういう点については、若者に大人であってほしいなと思います。
―今回の講演会の感想は
会場の皆さんが講演内容をたくさん吸収してくれているという感じがして、楽しかったです。次にまた講演をする機会があったら、より大型のスピーカーで、皆さんにEDMの重低音を感じてもらいたいですね。EDMはおなかに響く音を感じることを前提に作られた音楽なので、今回の講演をきっかけに実際にクラブに行ってもらえたらそれが一番です。
―東北大生に抱いた印象は
やはり、真面目で賢そうだという感じがしました。今回の講演はEDM音楽の歴史と、技術的な面からの音楽の作り方を大体半分ずつ話したんですが、学生によってはもっと技術的な面に寄った、音響学的な観点からの解説をしたら面白かったのかもしれないと思いました。
―大学時代はどんな学生でしたか
爆発していた、という感じでした。ハーバード大には、強烈な個性を持つ学生や講師が世界中から集まるので、大学にいるだけで大きな影響を受けました。
僕の場合は完全に道を外れて、まともな勉強は全くしていませんでした。音楽にしてもいわゆる古典というのは一切やらずに、いきなりシンセサイザーから始めたんです。おかげで音楽系の学科からは必要な単位がもらえず卒業できなくて、映像系の学科から卒業したんですよ。そういうことがある程度許される環境でしたし、それを応援してくれる教授もいました。そんな環境の中で、卒業時には自分のやりたいこと、創造したいものの方向性を見定めることができました。
―これまでの人生の中で転機と呼べるような出来事はありましたか
ハーバード大にあるサンダーズ・シアターというステージに、フィリップ・グラスというクラシックの作曲家が演奏に来たことがあったんです。クラシックなのに大きなアンプや機材をステージに並べて、ものすごい太い音を出していました。過去に聞いたことがないような音楽に触れて、想像力のふたが取れたような気がしました。そこで味わった創造性や「自由であること」を他の人にも感じてほしいという気持ちは、その後の自分の活動全てに通底していることです。
―今の大学生に勧めたい芸術作品は
まずは「イージー・ライダー」。あれはすごいですよ。他に映画で言うとデヴィッド・リンチや、スウェーデンのベル・イマン、イタリアのフェデリコ・フェリーニが監督した作品を見れば美意識はかなり磨かれると思います。
─今の大学生に求めることは
僕を見習ってほしい点と、見習ってほしくない点があります。前者は興味のあることを見つけたら、周りの言うことを気にせずのめり込んでいってほしいということ。先日の渋谷のハロウィーンの騒ぎ(ハロウィーンに熱狂した若者たちで渋谷のスクランブル交差点がごった返した出来事。10人以上の逮捕者を出し、新聞やテレビで大きく取り上げられた)を見ても分かるように、若者は機会さえあればあんな風に熱狂する、そういう性質を本来備えているんです。でもそれで車をひっくり返したり痴漢をしていては前には進めないから、自分の持っている若者特有の性質を自覚した上で、それを興味の方向に向けてほしいです。
後者の方、見習ってほしくない点については、自分はあまりにやり方が不器用でした。とにかくいろんなものに手を出してきたんです。それを無駄とは思いませんが、結果には直結していないなとも思っています。また、自分はお金は汚いものだという哲学をずっと持っていて、いろんな活動をほとんど無償でやっていました。でも新しいもの、盛り上がるものってお金がないと作れないんです。映画で言うと、結局自分は、自分のいるシーンを前に進めることのできない「シーンの中の一人」で終わってしまったなというのが心残りとしてありますね。そういう点については、若者に大人であってほしいなと思います。