【ニュース】揺れる大学入試制度 ~本学の対応は~
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現行の大学入試センター試験に代わる「大学入学共通テスト」が、2020年度から始まる。大きな特徴の一つは、英語で民間の資格・検定試験が活用されることだった。しかし、受験生間の公平性に対して高校生やその親、高校などから疑問の声が上がり、本学は出願要件にしないと決定していた。反対の世論が高まったため、政府は先月1日、20年度の民間試験の活用を見送ることを決めた。
そもそも民間試験は、「聞く、話す、読む、書く」の英語4技能を測るために資格・検定試験の活用を提言する中央教育審議会の14年12月の答申を受けたものだ。センター試験では、4技能のうち「話す、書く」技能を評価することが難しい。一方、スピーキング試験を一斉に実施し、約50万人の受験生を同時に評価することも困難であるため、広く実施されていて、かつ一定の評価が定着している民間試験を活用することになったという。
民間試験を巡っては、受験生同士の公平性が保たれるのかという疑問が浮上した。例えば試験会場の都合から、繰り返し受験して慣れることができる都市部の受験生が有利になりかねない。また、試験によっては受験料が高額で、収入の少ない家庭には負担が大きい。地方や離島などに住む生徒は、受験のたびに移動費用がかかってしまう。
成績評価の仕組みも複雑だ。原則として高校3年の4〜12月に、TOEFLや実用英語技能検定(英検)など文科省が認定した試験を2回まで受験。各試験の実施団体が共通テストを実施する大学入試センターを通じ、より高い方の得点を大学に送る。異なる試験を同じ基準で評価する必要があるとして、得点と共に段階評価も示す。点数を外国語の能力の評価指標「CEFR」(Common European Framework of Reference)に当てはめ、六つの区分で成績を表示。センターがこの評価も大学側に提供するという仕組みだ。ただ、試験は必ずしも受験生向けに作られたものではなく、採点基準もそれぞれ異なる。結果を適切に評価できるのかという疑問の声は根強かった。
こうした声を受け、文科省は先月1日、制度の不備を認め、民間試験の20年度の活用を見送ると発表した。浮かび上がった問題を解消して、24年度からの導入を目指すという。
本学は昨年12月、民間試験についてCEFRの「A2」レベル(英検準2級合格レベル)以上を備えていることを出願基準にすると発表した。入学後に4技能を修得することを重視し、「グローバルリーダー育成プログラム」をはじめとする英語教育に力を入れているためだ。一方で、「出願要件として英語認定試験の受検を一律に課すことや成績を合否判定に用いることには無理があり、逆に受験生の公平公正な扱いを損ねる恐れがある」として出願の必須要件とはしない。公平性や成績評価の問題に加え、本学が高校を対象に行った独自調査でも、民間試験を出願要件とすることに反対の声が大きかったという。
民間試験活用の延期について、本学広報室は「決定されたところなので、しばらく状況を見守りたい」とコメント。今後の推移を注視する方針だ。
共通テストでは民間試験の他に、国語と数学に記述式問題を導入する。こちらは予定通り21年度入試から実施されるが(※)、自己採点が難しいことや国語で段階別に評価がつけられる予定であることなどが批判されている。
そもそも文科省が大学入試改革を行おうとしているのは学生に思考力や判断力、表現力などを高めてほしいという狙いからだ。こうした能力を、入試を通じて評価することで、グローバル化や技術革新によって社会が激動する時代において、新たな価値を創る人材を発掘し、大学で育てることを目指す。
入試改革の一環として、文科省が進めてきた民間試験の導入。これがかえって混乱を招き、現在の高校2年生を中心に戸惑いが広がった。制度の抜本的な見直しを図り、24年度からの導入を目指すというが、再び受験生を困惑させるようなことがあってはならない。今回の導入延期を共通テストの在り方を検討し直す契機として、受験生が安心できる制度を作り上げてほしい。
本学は先月29日、英語民間試験の活用見送りを受けた20年度の入試への対応を発表した。本学はもともと、民間試験を出願要件にしないと決定しており、対応に変更はない。
そもそも民間試験は、「聞く、話す、読む、書く」の英語4技能を測るために資格・検定試験の活用を提言する中央教育審議会の14年12月の答申を受けたものだ。センター試験では、4技能のうち「話す、書く」技能を評価することが難しい。一方、スピーキング試験を一斉に実施し、約50万人の受験生を同時に評価することも困難であるため、広く実施されていて、かつ一定の評価が定着している民間試験を活用することになったという。
民間試験を巡っては、受験生同士の公平性が保たれるのかという疑問が浮上した。例えば試験会場の都合から、繰り返し受験して慣れることができる都市部の受験生が有利になりかねない。また、試験によっては受験料が高額で、収入の少ない家庭には負担が大きい。地方や離島などに住む生徒は、受験のたびに移動費用がかかってしまう。
成績評価の仕組みも複雑だ。原則として高校3年の4〜12月に、TOEFLや実用英語技能検定(英検)など文科省が認定した試験を2回まで受験。各試験の実施団体が共通テストを実施する大学入試センターを通じ、より高い方の得点を大学に送る。異なる試験を同じ基準で評価する必要があるとして、得点と共に段階評価も示す。点数を外国語の能力の評価指標「CEFR」(Common European Framework of Reference)に当てはめ、六つの区分で成績を表示。センターがこの評価も大学側に提供するという仕組みだ。ただ、試験は必ずしも受験生向けに作られたものではなく、採点基準もそれぞれ異なる。結果を適切に評価できるのかという疑問の声は根強かった。
こうした声を受け、文科省は先月1日、制度の不備を認め、民間試験の20年度の活用を見送ると発表した。浮かび上がった問題を解消して、24年度からの導入を目指すという。
本学は昨年12月、民間試験についてCEFRの「A2」レベル(英検準2級合格レベル)以上を備えていることを出願基準にすると発表した。入学後に4技能を修得することを重視し、「グローバルリーダー育成プログラム」をはじめとする英語教育に力を入れているためだ。一方で、「出願要件として英語認定試験の受検を一律に課すことや成績を合否判定に用いることには無理があり、逆に受験生の公平公正な扱いを損ねる恐れがある」として出願の必須要件とはしない。公平性や成績評価の問題に加え、本学が高校を対象に行った独自調査でも、民間試験を出願要件とすることに反対の声が大きかったという。
民間試験活用の延期について、本学広報室は「決定されたところなので、しばらく状況を見守りたい」とコメント。今後の推移を注視する方針だ。
共通テストでは民間試験の他に、国語と数学に記述式問題を導入する。こちらは予定通り21年度入試から実施されるが(※)、自己採点が難しいことや国語で段階別に評価がつけられる予定であることなどが批判されている。
そもそも文科省が大学入試改革を行おうとしているのは学生に思考力や判断力、表現力などを高めてほしいという狙いからだ。こうした能力を、入試を通じて評価することで、グローバル化や技術革新によって社会が激動する時代において、新たな価値を創る人材を発掘し、大学で育てることを目指す。
入試改革の一環として、文科省が進めてきた民間試験の導入。これがかえって混乱を招き、現在の高校2年生を中心に戸惑いが広がった。制度の抜本的な見直しを図り、24年度からの導入を目指すというが、再び受験生を困惑させるようなことがあってはならない。今回の導入延期を共通テストの在り方を検討し直す契機として、受験生が安心できる制度を作り上げてほしい。
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本学は先月29日、英語民間試験の活用見送りを受けた20年度の入試への対応を発表した。本学はもともと、民間試験を出願要件にしないと決定しており、対応に変更はない。
※本記事内の情報はすべて2019年12月9日現在のものです。
文部科学省は12月17日、国語・数学における記述式問題導入を見送ることを発表しました。