東北の画人 高み目指し留学 東日美主催の企画展
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本学大学院文学研究科東洋・日本美術史研究室が主催する企画展「東北の画人たちⅠ~秋田・山形・福島編~」が先月15日から、瑞巌寺宝物館(宮城郡松島町)で開催中だ。同展を監修した杉本欣久准教授と、企画に関わった学生2人に話を聞いた。
企画展の様子 (杉本准教授提供) |
「東北の絵って江戸とか京都とかと比べてレベルが低いんじゃないかと思うでしょ」と杉本准教授。「でもそんなことはなくて、東北の画家たちは絵画を学ぶために江戸や京都に留学している。だから当時のそれぞれの技術に遜色はないです。そういうことを今回の企画展で示したかった」と思いを語った。
同展は江戸時代に活躍した東北の画家の作品約40点を紹介。ポスターの作製や広報には同研究室の学生も関わった。展示では絵画になじみがない人にも見てもらえるよう、画家の身分や出身藩を示したパネルを設置したり、鑑賞のための用語解説を冊子にまとめたりと、工夫を凝らしている。
これらの工夫について、萬年香奈子さん(文・修1)は「用語解説や画家の伝記を読んでもらうと、画家の人生が分かって作品の見え方も変わってくる」とその意図を説明する。田部井栞里さん(文・修2)は「東北の画人たちの絵からは知識と人徳が感じられる。絵画一点一点に思いをはせながら見ていただけたら」と話した。
同展は来月31日まで開催される。