秋を快適に過ごす
10月に入り、肌寒い日が増えてきた。筆者はこの時期になると、毎年体調を崩す。そこで10月以降に増加する体調不良の原因と対策について、筆者の体験を交えながらまとめたい。(竹室斉紘)
〇ウイルス感染症
9月から10月にかけて気温が急激に下がり、それに伴い湿度も下がってくる。低温乾燥はウイルスにとって好条件であるだけでなく、私たちの肌や粘膜の免疫力の低下につながるため、ウイルスに感染しやすくなる。毎年話題に上がるウイルスといえばインフルエンザだろう。インフルエンザは例年11月から患者数が増え始める。感染すると風邪のような症状の他に関節痛や筋肉痛が現れる。インフルエンザウイルスにはアルコール消毒が有効で、手軽に消毒が可能だが、ウイルスの型が毎年変わり、全国的に流行する。そのため感染を防ぐことと同時に感染しても重症化を防ぐことが重要になる。その最たる手段として、予防接種が挙げられる。毎年10月ごろからインフルエンザの予防接種が始まるため、お住まいの自治体のウェブサイトなどで詳細を確認することを推奨する。
〇秋バテ
秋バテとは季節の変わり目に多発する疲労感や食欲不振といった体調不良の総称である。そんな秋バテの主な原因は自律神経系の乱れである。自律神経系には身体の興奮状態を制御する交感神経系と鎮静状態を制御する副交感神経系があり、両者のバランスが体の恒常性を維持している。夏は気温が極端になりやすく、体温調節のために交感神経系が常に働いた状態になりやすい。そのとき、体は常に緊張しており、緊張状態が長期間続くため、疲労感や倦怠感につながる。秋バテから立ち直るためには自律神経系を整えるための規則正しい生活や適度な運動などが良いのだが、それに加えて40度ほどのお湯に長めに浸かって入浴することも効果的である。私は大学1年の9月に見事秋バテし、不眠と倦怠感に悩まされた。この体の不調を解消するためにインターネットで調べたところ前述のような方法を見つけた。そこで入浴法を試したところ、症状が軽快した。さらに詳しく調べてみたところ、入浴時にくつろげたことで副交感神経系が優位になり自律神経系とのバランスが取れたと説明できることが分かった。
秋は気候が穏やかになり食事や読書、スポーツなどを満喫できる時期といわれる。そして、体調を崩しやすくなる時期でもある。体調管理を怠らないようにして、楽しい秋を過ごしたい。