公共政策大学院 独自の教育で「実践力」養う
昨今、我々の住む東北地方を始め、日本各地で人口減少や地域の存続性などの課題がある中、公的な面からその問題解決を図る公共政策の重要性が増している。本学公共政策大学院は、まさにそんな政策立案の最前線で活躍する「政策プロフェッショナル」を育成する場だ。学生たちはどのようにして本院で政策立案のスキルを磨いているのか。院長の西岡晋教授に独自のプログラムやその強みについて聞いた。
―カリキュラムの最大の特徴は
1年次に必修科目となる「公共政策ワークショップ」です。学生はこのワークショップに所属し、実地調査など現場でのワークを重ね、最終的に政策提言のプレゼンを行います。ワークショップの主担当を務め、指導に当たるのは、中央官庁から派遣された国家公務員の実務家の方々です。普段なかなか接することのできない、政策立案の最前線で活躍されている方々から近い距離感で指導を受ける中で、学生は具体的な政策の中身や、法制度に関してより有意義なアドバイスをもらうことができます。このような経験を通して、学生は政策立案に欠かせない実践的なスキルを身に付けていきます。
―具体的にどのようにプログラムが進むのか
学生を入学後それぞれテーマの違う四つのワークショップに振り分け、その中でワークに取り組んでもらいます。1グループ8人ほどで、これは役所における「課」のような組織体系になっています。学生は「課長」的役割を担う実務家の先生の指導の下、東北の自治体などを訪れ、フィールドワークを行い、現場でのヒアリングなどを重ねます。そして2回の報告会を経て、最終報告書の作成と政策提言を行います。政策提言のプレゼンは役所や実地調査を行った現地で行うこともあり、学生は自分の提言に対する現場の方々からのリアクションを直接もらうことができます。
実地調査もワークショップ単位で行われる(同氏提供) |
―本院で身に付けられるスキルは
座学だけでなく現場を知り政策を立案するための専門スキルと、社会人としてのスキルの2種類です。もちろん前者のスキルを学ぶのが主ですが、後者のスキルも政策立案には欠かせません。例えば現場でのヒアリングのアポ取りや名刺の交換など、社会人としてのマナーも身に付ける必要があります。政策のプロとして、また一人前の社会人として、本院で学んだことを生かして社会で活躍してもらうことが我々の目的です。