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【受賞】宇宙エレベーターサークル 論文コンテスト世界3位 ~1年生中心に執筆、月の周りに居住地設計~

  本学学友会登録団体の「宇宙エレベーターチャレンジトーホク(SELECT)=×=」のメンバーは、1月28日に行われた宇宙エレベーター=×=の論文コンテスト、Space Elevator  Academic Challenges-2025(ISEC、NSSの共同主催)に論文を提出し、3月1日の結果発表で3位を受賞した。論文には、月の周りに存在するL5点=×=に居住地を建設した場合の居住地のデザインや性質について掲載。また地球と中継地点、月とL5点を結ぶ、宇宙エレベーターの「クライマー」と呼ばれる輸送機の設計やその応用方法についても執筆している。

 受賞したメンバーは、小川成就さん(当時工・1)と小林亮脩さん(当時工・1)、葛野諒さん(当時工・博2)。小川さんは、学部1年生での論文執筆は困難も多かったと話す。研究を始めるにあたって、過去の研究で何がなされているのかを知るため大量の英語文献を調査することが大変だったという。

 本研究では、既に発表されている論文で考案された高さ932メートルの円筒状の建物の外側に、宇宙エレベーターでつなげた六つの新たな居住地を設計した。宇宙エレベーターで居住地自体を回転させることにより、遠心力による擬似的な重力を作ることで宇宙空間においても人や物が浮かないようにする。

 研究で用いたコンピューター解析は、一から自分たちでプログラミングした。研究に着手した昨年10月から今年1月の大会まで、短い期間で研究を行い、論文を書き上げた。小林さんは「大変ではあったが、試行錯誤して結果をつなぎあわせ、論文という形になった時は達成感があった」と話した。

 同大会で発表した論文は、追加で研究成果を補填し、9月末からシドニーで開かれる国際宇宙会議(IAC 2025)で発表する。

×宇宙エレベーターチャレンジトーホク(SELECT) 2019年2月、有志の学生によって発足したサークル。宇宙エレベーターの要素技術の一つである「クライマー」と呼ばれる輸送機の開発や、宇宙エレベーターの調査・研究活動、SNS(交流サイト)を通じて宇宙エレベーターの認知拡大を目指す広報活動などを行なっている。
×宇宙エレベーター 19世紀にロシアの技術者によって考案された未来の宇宙輸送技術。地球と宇宙をつなぐケーブル上を「クライマー」と呼ばれる輸送機が昇降し、人や物資を輸送するシステム。1991年、ケーブルの素材になり得る「カーボンナノチュ―ブ」が日本で発見されたことにより、実現に向けて議論が加速している。
×L5点 ある星の周りを別の星が公転しているとき、互いの遠心力が釣り合う五つの点の一つ。地球と月の間にも存在し、同大会ではL5点における宇宙居住地の建設と宇宙エレベーターの利用が論文のテーマとされた。
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