「東北大学新聞」オープンキャンパス号を配布しました

7月25日、26日に行われたオープンキャンパスにて、「東北大学新聞」オープンキャンパス号を配布しました。
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平成29年度東北大学基金課外活動奨励賞受賞

東北大学学友会報道部は、平成29年度東北大学基金課外活動奨励賞を受賞いたしました。
今年度は20団体が受賞しております。
今後とも学友会報道部をよろしくお願いいたします。

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【紀行文】 フィリピンを訪れて ~ 「CFFジャパン」 スタディ・ツアー ~

 広い空、青い海、一面に広がる南国植物。これが、フィリピンに対して我々が抱く一般的なイメージか。しかしその背後には、語るに忍びない現実がある。




今年3月、NPO法人「CFFジャパン」のスタディ・ツアーでフィリピンを訪れた。  

 観光ではない。貧富の差が激しい多民族国家フィリピンの、生の現実を見ることが目的だ。首都マニラがあるルソン島で過ごした9日間で、私は様々な人に出会った。戦時中に日本兵と過ごした長老、貧困から満足に教育を受けられないスラム街の子どもたち、全財産をかけてまで児童養護施設を設立した牧師さん……。私は過去に「様々な人」という言葉をこれほどまで広範で、多義的な意味で用いたことはない。それほど9日間の出会いはカルチャーショックの連続であり、私の既成価値観が大きく揺さぶられるものであった。

ツアー中、私たちが大切にしていた時間がある。それは「シェアリング」の時間だ。シェアリングとは、互いの体験・考えを交流し合い、あるテーマに関する理解を深める営みのこと。1日の終わりに、18人の参加者全員で、もしくはグループに分かれてその日の振り返りを行う。そして、貧困とはなにか、平和とはなにか、さらには私たちに何ができるのかなどを話し合う。今回はこの場を借りて、私が現地で特に印象に残った体験を「シェアリング」したいと思う。

 それは、パンガシナン州リンガエン市のごみ集積場を訪れたときのこと。フィリピンではほとんどのごみが焼却されずに地域のごみ集積場へと運ばれてくる。ここには毎日、街中から30tものごみが集まるという。実際に足を踏み入れてみると、強烈な悪臭が鼻を突いた。それもそのはず。足元にはカン、ペットボトル、生ごみ、家電などが一切分別されずに広がっているのだ。そこでは、ごみを売ることを生業としている人々がいた。子供たちも多く含まれている。ある14歳の少年は一度も学校に通ったことがないと語っていた。彼は朝6時から18時までごみを拾い続けるという。たとえ雨が降っても、台風がこようとも。すべてはご飯を食べるために。集めたごみは近くの「ジャンクショップ」で換金する。それでもビン1㎏で3円ほど。大人でも一日の収入は多くて500円ほどだという。

 日本人の私には、眼下に広がる光景が理解できなかった。本当に同じ地球なのかと疑った。しかし、驚くことに現地の人々の表情はキラキラと輝いていたのである。これはツアーに参加した他のメンバーも感じたことだという。互いにコミュニケーションをとりながらごみを拾う姿からは、疲弊する様子は見受けられない。むしろ、ときには笑顔を見せることさえあった。彼らは自らの生活に誇りを持っているのだ。一瞬でも彼らを「不幸だ」と思ってしまった自分を恥じた。
 「不幸だ」と感じるのは、自分が日本人だから。学校に行くのが当たり前で、蛇口をひねればきれいな水が出る環境に育ったからである。けれども、9日間で出会ったフィリピンの人たちは、今ある環境に幸せを見出し、貧しい生活でも幸せに暮らしていた。行く先々で、誠意をこめて私たちを出迎えてくれた。単に私が彼らに対して「不幸」という名のレッテルを貼り付けていただけだったのだ。

 では、だからといってこの貧富の差を受け入れてもよいのか。教育を受けられない子供たちを見過ごしてもよいのか。食べるためだけに生きる毎日は、本当の意味で平和だといえるのか。それでは、状況を改善するために、我々には一体なにができるのか……。毎日のシェアリングでたびたび論点にあがり、考えさせられた。しかし、考えれば考えるほど明確な答えは見つからず、「もやもや」が溜まっていくばかり。そんな中、私たちが出したある答えは、考え続けること、そして、その思いを誰かに伝えること。たしかに個々の力は微弱である。だが、一人ひとりが思う平和へのベクトルが揃えば、大きな力が生み出される。それは、到底考えもつかないような力である。現地で手を取り合いながら支援を続ける人々を見てきた私は、このことを強調しないわけにはいかない。

 ここでシェアリングしたことは、私が現地で見て、感じたことの一部分にすぎない。百聞は一見に如かず。まずは現地を訪れてほしい。インターネットを開いて、NPO法人「CFF」を検索してほしい。ぜひ、世界への扉を叩いてほしい。

 ツアーに参加する前、私は一般人ができない新しい経験をするのだという一種の優越感に浸っていた。しかし、帰国後の自分に残ったものは、新しい経験というより、再発見したという感情である。日本ではあまりにも多くのしがらみに埋もれてしまった、人として大切なものを。

(文責:立田)


CFFジャパンでは来年の春にもツアーを開催する。

詳細は下記URLを検索。
http://www.cffjapan.org/
紀行 1606109571847166141

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