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【ネタ記事】猛暑退散!雨乞いに挑戦

 それは6月初旬のこと。まだ梅雨にすら入っていないというのに、夏本番が到来したかのような暑さが続いていた。天気予報はまさかの最高気温30度越え宣言。



仙台市も例外ではなく、真夏日が数日に渡って続いた。……何これ? 筆者が受験生時代に入手した東北大学パンフレットによれば、仙台の夏は涼しく快適に過ごせるはずである。しかしこの暑さ、他の地方とほとんど変わらない。このままでは干上がってしまう。趣深いしっとりとした雨でも降れば涼しくなるのだが、今後一週間は降らない予報が出ている。このまま無抵抗に干からびるしかないのか……。いや待て、諦めるにはまだ早い。何か、何かあるはずだ。思考を巡らせ、頭に浮かび上がったのは――雨乞いであった。雨乞いは古くから世界各地で行われてきた、比較的ポピュラーな呪術である。「何もしないよりはマシ」そう思った筆者は、早速雨乞いを始めたのであった。

 さて、雨乞いといっても何をすれば良いのか。とりあえず空に向かって祈りを捧げた。「雨を降らせてください雨を降らせてください雨を降らせてください雨を降ら(以下略)」数分間祈ったが、雲ひとつない青空は微塵も変化しない。さすがにただ祈るだけでは無理があったか。

 ちょうどここで部員Mが登場。二人で正しい雨乞いの方法について調査を開始した。インターネットで検索すると、様々な方法が見つかった。大別すると、山野で火を焚く、禁忌を犯す、模倣呪術を行う、神仏に舞を奉納して懇請する、といった方法がある。まず、山野で火を焚く方法から。これはさすがに警察のお世話になってしまうのでNGだろう。次に、禁忌を犯す方法について。具体的には、水神が住むとされる湖沼に動物の遺骸を投げ込んで水を汚し、水神を怒らせて雨を降らせる……さすがにここまでの執念は持ち合わせていない。というよりも我々に神様を怒らせる度胸などない。よってこれもNG。しかし残りの二つならば何とかできそうなので、ここからはこの三つの方法を行うことに焦点を当てていこう。


 まずは第一の方法、模倣呪術。すなわち、雨を人の手で再現する方法である。ところが詳しく調べると、高い場所から水をまくことで雨を再現し、火を焚いて出した煙を雲とし、太鼓や鐘を打ち鳴らして雷の真似をしなければならないようである。「雷と雲は再現しない。あえてね」我々が求めているのは、あくまで趣深いしとしと雨であって、雷を伴う豪雨ではない。従って雷は削除。大学周辺で火を焚くことは御法度なので、もちろん煙も削除。結局、新サークル棟3階にある報道部室の窓から水を振りまくだけにした。人が歩いていないことを確認し、勢いよく水を振りまいた! 非常に地味なシーンであったが、果たしてその効果は? ……待てども待てども雨は降りそうにない。これも失敗である。

 もう後がない我々は最後の手段、神仏へ舞を奉納することにした。詳しい手順を調べ、早速儀式を実行する。まず縄で半径3mの円を作り、これを結界とした。次にコップ一杯の酒と塩を一盛供え、参加者全員が空に向かって五分間祈った。そしていよいよ舞を奉納する訳であるが、実際に舞う部員Nが「ドキドキ! プリ○ュアのエンディングしか舞えない」と言い出した。果たして今までに神仏へアニソンを奉納した雨乞いがあっただろうか? 若干不安だが背に腹はかえられない。心を込めれば神様も許してくれるだろう、多分……。舞が始まると、厳粛な雰囲気とドキ○リのエンディングが持つポップでラヴリーな曲調が全くマッチしておらず、舞っているNを見ると非常に痛々しいが、気にしない気にしない。舞が終わり、もう一度全員で空に向かって祈って儀式は終了した。

 成功すれば、2時間以内に雨が降るらしい。我々は高鳴る心臓を抑えながら待った。しかし、2時間経っても雨は降らなかった。ナニコレイミワカンナイ! もう何をやってもダメ、大人しく干からびよう……。意気消沈し、その日は皆で干からびた。

 その2日後、偶然か必然か、なんと本当に雨が降った。それも情緒あるしっとりとした霧雨が。やはり神様はいるのかもしれない。この流れ……スピリチュアルやね!


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