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【ネタ記事】愛を込めて、マフラーを ~初心者が9時間で制作~

 報道部には、冷え込みが厳しくなっても薄着で過ごす部員Gがいる。あまり冬物を持っていないという彼に、報道部員が立ち上がった。有名な童謡の歌詞にならい、夜なべして編み物をしようではないか。ちなみに筆者は編み物に関してずぶの素人。部員Nが協力を申し出たが、彼女もまた編み物未経験者であった。




 徹夜で編み物をする決心をしたが、学生としては睡眠不足が講義に影響するのは困る。協議の結果、某日の13時から22時の9時間編み物をすることで合意した。徹夜ではないが、時間量は一晩に相当するはずだ。また初心者であることを考慮しマフラーを作ることにした。

 次に道具と材料を用意する。手芸屋で毛糸玉を合計6玉購入。編み物初心者ながらも、かぎ針を使う「かぎ編み」と、2本の棒を使う「棒編み」があることは知っている。それぞれの道具を購入し、部員Nがかぎ編みを、筆者が棒編みをすることになった。

 決行の日、部室に集まった筆者らは、まず毛糸と道具を取り出す。そこで早速問題が発生。毛糸の端が見つからない。糸を引っ張りすぎた毛糸玉を投げ出し、別の毛糸玉で再チャレンジ。なんとか糸端を見つけることができた。

 次に編み方を調べる。スマホを使いウェブサイトを参照したが、文章と写真だけでは分からない。動画の解説を見ながら、なんとか編み始めた。

 棒編みの筆者は2目を作るのにつまずいた。棒、指、糸が交差し、何をどこに通せばいいのか分からない。しかし動画を繰り返し見て、40分かけて2目を編む。その後、失敗もややあったが、要領をつかむと、するすると編むことができた。

 一方、かぎ編みの部員Nは順調に編み進める。しかし、編んだところが、なぜかどんどん縮んでいく。時間が経つにつれて、筆者と部員Nの差は絶望的なまでに広がっていった。

 17時ごろ、とてもじゃないが、首に巻けるマフラーができるとは思えなかった。編んでもなぜか縮む部員Nはもはやマフラーを諦めアクリルたわしを目指して編むことにした。筆者の編んだ長さはまだ10センチほど。時間内にせめて鍋敷きの大きさにしたい。

 無心で編み続ける2人。部室に訪れた他の部員たちがマフラーには見えない糸の塊を温かいまなざしで見つめる中、時刻は22時になってしまった。

 結局、編むことができたのは、部員Nが楕円状のまさにアクリルたわし、筆者がちょうど鍋敷きにできそうな大きさだった。これでは部員Gにプレゼントできない。後日続きを編むことにし、その日の完成は諦めた。

 マフラーにならなかった最大の要因は、やはり初心者では限界があったことだろう。特にかぎ編みについては、糸が細すぎてマフラーに向いていなかったことが判明した。夜なべの大変さと、母の偉大さを実感することになったが、同時に編み物の楽しさも知ることができた。
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