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【七大戦2020】学友会体育部長 永富良一教授 ~制約もチャンスに~

 「学生には悔しさを糧に頑張ってほしい」。そう語るのは学友会体育部長を務める、医工学研究科の永富良一教授だ。今年は新型コロナウイルス感染症の影響で、七大戦をはじめとする各種大会が中止となった。永富教授にコロナ禍での課外活動をめぐる心境や動きについて話を伺った。


 永富教授は「チャレンジができないことに、学生は悔しい思いをしていると思う」と話し、各種大会の中止により活躍の場が奪われた学生の心境を推し量った。そのうえで、制約の下での活動もチャレンジの一つと捉え、今後の人生や大会に生かしてほしいと学生への期待を寄せた。


 一方、大会の中止の知らせを受けたときの自身の心境を「断腸の思い」と表現。東京五輪・パラリンピックが延期されており、仕方ない面はあるとしながらも、無念さをにじませた。


 新型コロナは体育部各団体の日々の練習をも厳しく制限した。永富教授は7月7日以降、毎週火曜午後7時に各団体とテレビ会議を重ね、学生側の不満や不安を共有し、解消に努めてきた。


 当初は、活動を大学が過剰に管理していると思う学生がいるような感触があった。しかし、会議を繰り返すことで、コロナ禍で感染リスクを抑えながら活動するという意識が学生の間に浸透し、不安のレベルも下がってきたと感じている。


 宮城県内外から1万8千人の学生が集まる本学を、永富教授は「街」に例える。多くの人が集まる「街」で感染者集団(クラスター)が発生すると地域の医療崩壊につながるため、制限の緩和に慎重にならざるを得ない。最初は、その事情が学生に伝わりきっていなかった。


 会議は現在まで続けているが、参加者は減少傾向にあるという。この期間で、団体の代表者が自発的に意見を取りまとめて伝えてくる動きも出てきた。こうした動きには永富教授も感心したと話す。


 活動制限に対しては、教授自身、大会の中止以上に懸念を抱いていた。その危機感が会議を定期開催するきっかけになった。「活動がなくなると、部活動を辞めようという声が出てくる。部活動の『コロナ倒産』につながりかねない」。活動の在り方について話し合う機会を作ろうと考えたと振り返る。


 永富教授は課外活動を「とても価値があることだ」と評価する。仲間と共に物事を決め、やりたいことをやる。それは人間としてうれしいことであり、活動を通して生きがいを感じられることがあるからだ。


 だからこそ、思いやりの大切さを訴える。新型コロナの影響で人と会う機会が少なくなり、つながりも薄れている。永富教授は「1人では思いやりは成立しない。2人以上いるから成立する」と語り、関係が途絶して孤立する人が出ないよう、団体に所属する仲間同士で思いやる必要性を指摘した。


 活動制限が徐々に緩和され、大会のエントリーや合宿についてなど、新たな問い合わせが寄せられているという。コロナ禍での活動について、永富教授は、自分や仲間を高めるためにどうするべきかを考え続けることが重要だと話す。最後には「先生や事務の方も応援している。東北大はコロナに負けないぞ、というところを見せてほしい」と学生にエールを送った。

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