【秒撮】蕪栗沼~マガンのねぐら入り~
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四方を水田に囲まれた蕪栗沼(大崎市)。その上空を、無数の黒い影が埋める。日中、田んぼで籾をついばんで過ごしたマガンが、ねぐらであるこの沼に戻ってきたのだ。マガンの飛来は、日没後すぐから、空が完全に暗くなるまで続く。空を飛ぶ鳥がいなくなるころ、今度は水面が黒い影に埋められている。
「ねぐら入り」と名前のついたこの風景は、冬の間にしか見ることができない。マガンをはじめとしたガン類の主な生息地は北アメリカ州とシベリア東部などで、日本には冬鳥として渡来するからだ。ほとんどが宮城県を越冬の地として利用し、そのうち蕪栗沼をねぐらとするものは10万羽にも及ぶ。その10万羽が数十分の短時間でひとところに集まる様は、まさに壮観である。
蕪栗沼は2005年に、周辺水田とともにラムサール条約湿地に登録されている。広い湖沼と採食のための田んぼが共存した環境は、日本でも有数だ。マガンの観察適期は2月上旬まで。寒い宮城の冬、こたつにこもるのも一興だが、たまには外に出て、ドライブがてら足を運んでみてはどうだろうか。