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バイオマスの前処理に泡の圧潰を活用 ~効率上昇 さらなる実用化に期待~

 工学研究科の祖山均教授らが、バイオマス原料からバイオエタノールを生成する際の下処理に泡の圧潰衝撃力を利用することで処理効率が上昇することを実証した。
 主要なバイオマス原料のセルロースは強固な結晶構造を持ち、バイオエタノールに加工するにはその構造を分解することが必要だ。従来は酸やアルカリ、熱を与えて処理していたが、莫大なコストを要する。そこで、「キャビテーション」と呼ばれる現象を利用することが提案された。

 「キャビテーション」とは、液体が高速で流れると、圧力が低下して泡状の気体に変化する現象である。キャビテーションは元々船のスクリューから生じる泡から発見された現象で、生じた泡が崩壊して液体に戻る際にスクリューを傷付けるものとされていた。スクリューを傷付けるほどの衝撃力を持つ泡の圧潰によってセルロース構造を破壊することが出来る。
 キャビテーションを起こすために超音波振動を用いることが従来の手法であったが、今回の研究では図のように液体の流れ場を細く絞ることでキャビテーションを発生させる。細く絞ったところで流体の速度が上昇し、圧力が低下するため泡が発生する。従来の超音波を用いた処理も熱や酸による処理に比べて高い効率を実現したが、流れ場による処理は超音波処理の20倍もの効率を実現した。
 今回の研究により、セルロースの処理に対して流れ場によるキャビテーションを利用する有用性は示された。また、泡が崩壊するときに気体が高温・高圧状態になることや流体の速度などを調整することでさらなる効率化とそれによる実用化が期待できる。
 セルロースの分解以外にもキャビテーションを応用できる分野が存在するが、それらの多くはは開発途上の段階にあり、キャビテーションの有用性が十分に広まってはいない。「この研究によりキャビテーションを利用した研究が増えてほしい。キャビテーションの原理を解明することで、その応用にも貢献したい」と祖山教授は今後の研究について語った。
研究成果 3870281136577891066

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