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【ニュース】クォーター制導入される ~全学教育 学習時間の確保に期待~

 今年度の1学年から、全学教育のカリキュラムにクォーター制が導入される。クォーター制は、1年を4学期に分けて授業日程を組んだもので、東北地方の大学では本学が初めて取り入れる。(インターネット限定記事では、導入背景などを紹介しています。記事はこちら




 前年度までのセメスター制は、1年を2学期に分けて授業が進んでいた。本学で導入されるクォーター制は、このセメスター制の1学期と2学期をそれぞれ等分する形式となる。例えば、4月から8月上旬に及ぶ第1セメスターは、4月から6月初めまでを第1クォーター、それ以降を第2クォーターとして扱う。

 ただし、本学のクォーター制では、クォーター形式の科目と、セメスター形式の科目が存在する。クォーター形式の科目を受講する場合、その授業は原則として週2回受ける。一方で、セメスター形式の科目は週1回の授業で済むが、一つの講義の単位を取るために要する期間は長くなる。履修登録をする際には、受講したい授業がいずれのタイプに当てはまるのか、注意を払わねばならない。

 クォーター制の導入に向けて本格的に乗り出したのは2014年9月。この時にプロジェクトチームを立ち上げ、昨年3月にクォーター制導入が決まった。本学の教育方針を統括し、クォーター制の導入を指揮した花輪公雄理事は「私の理事としての任期で行う改革の中でも、クォーター制は最後の目玉」と力説する。

 この制度の導入に際し、本学では、在学生に対してはポスターでの通知にとどめている。その理由について花輪理事は、新1年生が主な対象となっており、混乱が予測されることを挙げた。花輪理事は「年次進行で進めることとなったため、在学生全体に関わることではなくなった。改めて在学生に説明の場を設ける予定はない」と明かした。

 クォーター制を導入するメリットは大きく三つある。一つ目は、学生が授業時間外に学習する時間を確保できることだ。セメスター制だと、一つのセメスターで週に一度行われる授業を十数個受けることになる。この場合、それぞれの授業の中身について十分な時間をかけて見識を深めていくことは難しいと指摘されたそうだ。クォーター制は授業が週に2回になる分、一度に履修する科目を半減させることで、一つの授業の中身を短い期間で集中的に学ぶことができる。

 二つ目に、海外への渡航がしやすくなることが挙げられる。セメスター制だと授業が4カ月続くため、1カ月程度などの短期間の留学をするには不都合だった。だがクォーター制では1授業が2カ月程度で終了するため、一つのクォーターを留学に充てるという対応がしやすくなる。短期間で単位を取得しやすくなるという利点があるため、本学から海外に留学する学生だけでなく、本学に留学しに来る学生にもプラスになる。

 三つ目は、授業を担当する教員が研究に充てる時間を十分に作れることだ。研究や調査を行うためには、ある程度まとまった時間がなければならない。クォーター制であれば、授業を担当する時期と研究に充てる時期を分けるという選択肢が生まれる。これにより、研究と教育の両立を促せる。

 これらの利点を踏まえて、花輪理事は「クォーター制でさまざまなことが良い方向に変わるのではないか」と見ている。「導入によって、学生は深い学習が、大学はグローバル化が、教員は学問分野の研究が促されることを願っている」と語った。これらの成果が出たかどうかについては、授業評価のアンケートや学生との懇談会を基に判断する予定だ。

 花輪理事は学生に対して「この制度の導入を契機に、学ぶことの意識を変えてほしい」と求める。また「授業を取る際も、単位を取得できないことを想定して授業を取りすぎることなく、一つの授業に集中できるように計画してほしい」と呼びかけた。
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