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伊達政宗生誕450周年記念 学芸員に聞く政宗の人物像

 今年、仙台藩初代藩主伊達政宗は生誕450周年を迎える。これを祝い、今年は一年を通して仙台市各地で様々な記念関連企画が行われる。今回、その政宗が一体どのような人物だったのか、仙台市博物館学芸員の佐々木徹さんに話を伺った。




 「政宗のすごさを一言で表すなら、幅広く豊かな能力だ」と佐々木さんは語る。「独眼竜」として名高い政宗。幼年期に患った天然痘により右目の視力を失うという苦境を乗り越え、一国の大将たる威光に溢れていることを表したあだ名だ。

 しかし政宗のすごさはそれだけではない。武将として戦を勝利に導く政治外交力にも優れており、また若い頃から培った文化人としての素養にも恵まれていた。和歌も詠めれば漢詩も作ることができたし、その筆跡も美しいとの評判があった。

 政宗にはもう一つ、「筆まめ武将」というあだ名があるのをご存知だろうか。当時の武家社会では、有力な武士であればあるほど、自らが出す手紙は、祐筆と呼ばれる書記官が代筆するのが普通であった。ところが、政宗はそのような立場でありながら直筆の手紙を生涯で1000通以上出しており(かの豊臣秀吉の直筆の手紙は120通ほど、徳川家康は30通ほど、織田信長に関しては3通ほどしかないという)、そうした点から近年「筆まめ武将」と呼ばれるようになったのだ。佐々木さんは「政宗には自分の意志は自分で伝えるという強いこだわりがあり、またなんでも自分でやらないと気が済まない性分だった」と説明する。

 豪壮な「独眼竜」でありながら誠実な「筆まめ武将」。文化芸術への造詣が深く、多方面へ自分なりのこだわりを持って取り組み、かつ実現しうる高い実行性がそれを支えた。伊達政宗が現代においてもなお名前の挙がる武将であるゆえんは、このあたりにあるのだろう。

 今回話を伺った仙台市博物館でも記念企画として、特別展「伊達政宗―生誕450年記念」が今年10月から開かれる。伊達政宗にのみフォーカスを当てた展覧会は同館では約30年ぶりであり、佐々木さんは「政宗の生涯、人物像を知ることができる貴重な機会」とし、来る展覧会に期待を寄せた。
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