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ニャンダフル! 浮世絵ねこの世界展 ~独特の世界観に引き込む~

 「ニャンダフル! 浮世絵ねこの世界展」が、4月28日から今月4日まで東北福祉大学仙台駅東口キャンパス「TFUギャラリー ミニモリ」にて開催された。のべ200点の作品を前期と後期で一部入れ替えて展示した。




 今回の展示は、仙台市市民文化事業団設立30周年を記念して開かれたもの。先行して企画されていた8月に上演される予定の、市民によるオリジナルミュージカル「仙台ねこ」にちなんで、猫に焦点を当てた展示となった。

 本展示の主役である猫は、江戸時代までにペットとして普及し、次第に浮世絵にも描かれるようになった。大の猫好きであった浮世絵師の歌川国芳をはじめ、広重や国貞などによって描かれた猫たちは、浮世絵の中でペットとしてだけではなく、妖怪になったり、擬人化されたりといろいろな表情を見せる。

 展示は全部で7章構成。中でも第3~5章では、日常生活に溶け込んだ猫たちの様子が、美人や子どもと共に描かれている。一方、第7章「化け猫ものがたり」では、恐ろしさの中にどこかユーモアも感じられるような妖怪となった猫の姿を見ることができる。展示の魅力を同展担当者の木村浩子さんは「かわいらしくコミカルな猫の浮世絵を楽しむと同時に、当時の庶民の生活や風俗も感じ取ってもらえたのでは」と話す。

 また、「浮世絵ということで高年齢層をターゲットにしていたが、若い方もたくさん来てくれていた」と語る木村さん。近年の妖怪ブームや、200点という作品数の多さ、猫好きの方からの反響の大きさに起因したのではと推測する。

 今回の展示の注目作品の一つであった「流行逢都絵希代稀物」では、国芳は猫と共に自身を忍ばせて描いている。また、若い来場者に人気だったという「荷宝蔵壁のむだ書」は、歌舞伎役者と猫を落書き風のタッチで描いた作品だ。一目見れば、自然と笑みが零れるような多数の遊び心溢れる作品が並び、今まで浮世絵に触れる機会のなかった人も、思わずその独特の世界観に引き込まれてしまうような展覧会であった。
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