【ネタ記事】人気アニメ映画を全て見終わるまで帰れません!
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報道部で伝統になりつつあるアニメ映画をぶっ続けで観る企画も三回目を迎えた。第一弾はジ○リ作品、第二弾はポ○モン、そして今回もまた誰もが知っているであろう有名なアニメ作品を選んだ。そう、見た目は子供、頭脳は大人な名探偵コ○ンである。見た目は大人どころかおっさんで、頭脳(というか思考)は子供な筆者とは真逆な作品である。
まずはTSUT○YAを巡り、すべての作品を集める作業から始まる。その総数は15本。毎年1本ゴールデンウィーク頃に出しているようなので今年の作品で16年目となる。単純に1本2時間と計算した場合、総計30時間となる。企画が終わった時、筆者は生きていられるだろうか……。
午後7時、パチンコに勝った先輩がネギや白菜、肉などを買ってきてくれたので、おいしく鍋をいただきながら1本目の映画をセットし、企画が始まった。年代順に映画を再生するので第1作目は「時計じかけの○天楼」である。この作品は懐かしがりながら特に苦も無く終わり、15本なんて余裕じゃんなんて思っていた時期が自分にもありました。2作品目も鍋を食べながらつつがなく終わった。
様々なことが起こったのは3作品目「世紀末の○術師」からである。主人公と同じく小さくなったあの子や平成のル○ンといわれる怪盗○ッドが初めて出てくる作品である。「は○ばらがでてきたよ!綾波○イの声優さんだよ!」と筆者が奇声をあげると、まったくこれだからロリコンは……みたいな視線が突き刺さる。
そんな中、12時をまわり初めて新入生が現れる。先月号で筆者と共に家交換企画に参加したM氏である。差し入れにゼリーとヨーグルトという粋なものをくれた。ここまでは順調であった。だが、先輩が麻雀の準備を始めてしまう。部室の中には6人の人間(1人は熟睡中、1人は筆者)。すなわち麻雀の面子が揃ってしまったのである。当たり前だが筆者は入ることは許されていない。ジャラジャラと牌を混ぜる音、ロンやツモ、ポン、チーなどの麻雀用語が飛び交う中、なぜかコ○ンを見続ける筆者。この企画が終わったら心行くまで麻雀をしよう、そう心に誓いながら4作品目に入る。「瞳の中の○殺者」は主人公の幼馴染が記憶喪失になり、命を狙われる作品である。そろそろ目が乾燥してきてなかなかに厳しくなってくるころである。それでも隣で麻雀が行われているので眠くはならない。1人になると地獄だろうな……そう思いながら淡々と映画を見続ける。
すると時刻は午前3時をまわり部員の4人が眠る支度を始めてしまった。え、そんなに泊まるの?と思ってはいけない。これぞ真の報道部員の姿である。みんなが寝静まると黙々と映画を見る作業が始まり、同時に睡魔が襲ってくる。企画は未だに3分の1程度しか進んでいない。本気で死ぬかもしれない……。それでも先輩の1人Wさんが起きて、一緒に観ることになった。「こいつ(犯人)くさそう」などの言葉ばかりを2人で言い合う。
そうして企画は進んでいく中、唯一起きていたWさんが帰ってしまいついに1人で映画見る作業が始まる。1人起きては帰り、また起きては帰るを繰り返し、寂しさが増していく筆者。それでも正午をまわり法学部の新入生2人が応援に来る。しかし、このうちの1人O氏が映画視上最大のタブーを犯す。筆者が初見の映画に対し「あ、この女の人が犯人だよ」「おいいぃぃぃ!それは、それだけはだめだろう!」。ネタバレ、ダメ、絶対!
17時をまわり2人が帰って、部室にはとうとう筆者1人となってしまった。この企画が始まってから初めてのひとりである。「ウサギは寂しいと死ぬんだぜ……」などと呟きつつもDVDを代えて再生を押す。まばたきを一回したらなぜか人が死んでいたとか気にしない。
すると部室のドアが開かれ、先ほど帰った法学部のT氏が入ってきた。「これよかったら食べてよ!」と差し出してきたのは手作りのお弁当。惚れてまうやろー!と心で叫びながらお弁当を受け取る。「それじゃ、また。頑張ってね」と言い残し去っていくT氏。中身は牛筋煮込みという弁当の定番とは外れたところだが、寂しさが紛れていく。
その後、再度M氏が差し入れを持ってきてくれ、彼に感謝しつつ最後のDVDをセットする。このつらい戦いともとうとう終わりか……と感慨にふけながら見ていく。
エンディングが終わりしっかりとコ○ン映画の定番のオチを見てこの企画は終了した。始まりは土曜日の午後7時、終わったのは月曜日の午前1時。きっちり30時間かかった(ご飯の時間も含む)。とにかく瞼と体が重く、何より自分の家が恋しかった。
このマゾ企画は1人では乗りきれなかっただろう。先輩や友の助けがあったからこそ達成できたのだと思う。そのありがたみを教えるために来年の1年にも絶対にやってもらおうと心に誓う筆者である。
(この記事は本紙399号に掲載されたものです)