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【講演会】東北文化研究室公開講演会 開催

 本学大学院文学研究科東北文化研究室主催の公開講演会が11月30日、川内南キャンパス文学部第2講義室で開催された。



 東北文化研究室は毎年講演会やシンポジウムを開催している。今年度は女子学生が本学に入学してから100周年であることを記念して、「歴史のなかの東北大学と社会―『門戸開放』と女子学生―」をテーマとした講演会を行った。講師は本学史料館の永田英明准教授、本学大学院文学研究科の柳原敏昭教授の2名。

 永田准教授は「女性たち・留学生たちの学都仙台」と題し、女子学生がどのような経緯で当時国家のための大学であり、女性教育とは対極にあった帝国大学に入学するようになったか、一方で東北帝大はその理念に門戸開放を掲げ、女子学生のみならず女子留学生も受け入れていたことなどを語った。


 永田准教授は「当時は大学生一般にとっても大学で勉強する意味が今と異なる。ましてや女子学生にとっては尚更で、それでもあえて大学に進んだ意図や意味にアプローチしていきたい。事実を深く理解することは歴史を学ぶために必要である。過去に東北大学にこういった女子学生たちがいたということを、時代を超えて今の人にも伝えたい。共感できる部分もあるのではないか」と語った。

 柳原教授は「女子学生運動事始」と題し、学生運動と女子学生の関わりについて述べた。京都帝国大学法学部の滝川幸辰教授が学問内容や著書がマルクス主義的であるとして弾圧された滝川事件を皮切りに、東北大でも学生運動が活発になっていったこと、そしてそれに参加した女子学生がいたことなどを語った。後半は治安維持法で検挙された唯一の女子帝大生である本学法文学部に在籍していた川崎七瀬氏の話を中心に、川崎氏の学生生活や逮捕されるに至った経緯などを語った。会場には川崎氏の妹さんもはるばる京都から訪れ「今まで日の目を見ることのなかった姉の生涯がこのような形で紹介されたことを大変うれしく思う」と語った。

 柳原教授は最後に「大学として優秀な女子学生を輩出したことは誇るべきことであるが、それだけではなく川崎さんのような女子学生がいたことなど、今まであまり知られていなかった側面に光を当てて多面的に評価していくことが重要なのではないか」と語った。
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