【講演会】3M米国本社副社長 石井真氏
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6月17日、3M米国本社副社長の石井真氏を招いた講演会が本学川内北キャンパスで行われた。
石井氏は長野県生まれ。千葉大工学部を卒業したのち住友スリーエムに入社し、以来技術部や岩手3M工場長を経て現在グローバル自動車事業担当副社長を務めている。
世界の自動車会社を相手に仕事を進めるため、世界30カ国への海外出張が年間170日に上るという。また世界市場規模や戦略に合わせて、各国・地域の人材で構成された組織を統括する。
このように現在世界中を飛び回って活躍する石井氏だが、入社した時はグローバル等という意識はほとんど持ち合わせていなかった。転機となったのが初の海外出張で任された米国との共同プロジェクト。事実に基づきあっさりと今までの間違いを認め、180度方針を変えるような現地での仕事のやり方にカルチャーショックを受けたという。
その後も何度か海外赴任を経験し、慣れない環境の中でも少しずつ自信をつけていき、初の海外赴任時には660点だったTOEICのスコアも、920点まで上がった。
グローバルで働く上では、合意形成が難しいと語った石井氏。様々な文化的背景を持った人々と仕事をする上では共通の土台がなく、暗黙の了解を持つことが出来るまでが一苦労だという。だが、そのように多様な人々と出会い、文化を見るなどして経験を重ねることはとても楽しいものだとも強調する。出張先の国々で味わった料理をスライドで交えながら海外での楽しみを語る石井氏の目には、純粋な輝きが浮かんでいた。
ただ自分が世界で働く中、周りに日本人の姿を見かけることは少ないと指摘。学生に向けたメッセージとして、内向き志向にならず、世界の多様性に目を向けること重要性を強調した。その上で、自分の能力を発展させることの出来る場になっているとも力説する。
「将来ある若い人たちに是非世界で働く楽しさを知ってもらいたい」という石井氏からの強いアプローチで実現した今回の講演会。熱い口調でグローバルの魅力を語る人生の先輩に、参加者は皆引き込まれていたようだった。