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【ニュース】川内南キャンパス埋蔵文化財確認調査終了 ~江戸時代遺構 良好な保存が判明~

 本学埋蔵文化財調査室による川内南キャンパスの埋蔵文化財確認調査が終了した。調査は講義棟の建て替えに伴い実施されたもので、現在は新講義棟の建設工事が進められている。



 調査が行われたのは、仙台城の二の丸地区に相当する川内南キャンパスの法学部・経済学部の合同講義棟が建てられていた地点。東日本大震災で被害を受けた講義棟の建て替えにあたり、講義棟の地下にある江戸時代の遺構の残存状況を確認するために実施された。

 川内南地区は江戸時代の初期には伊達家重臣の屋敷が置かれ、寛永15年(1638年)に仙台藩二代藩主・伊達忠宗によって二の丸が造営されると、それ以降は仙台城の実質的な中心として利用されている。その後数回の大規模工事や整地を重ね、明治15年(1882年)の火災で建物群が焼失した後は陸軍第二師団司令部が設置された。戦後は米軍キャンプを経て本学の川内南キャンパスが置かれている。

 今回の確認調査は文化元年(1804年)に発生した火災からの復興・再建のために作成されたとみられる図面「文化元年御造営絵図写」を元に、文化元年の火災以後の遺構を中心に行われた。調査の結果、川内南地区には江戸時代の遺構が、既存建物の基礎で壊されていた部分以外は良好に保存されていることが判明した。

 特に一部の地区は江戸時代に行われた整地の層が厚いため、その下部にある二の丸造営以前の政宗時代の遺構が非常によく保存されていると考えられる。また、土手の位置や建物の間を通る石組溝などがほぼ図面を根拠に推定された位置どおりに発見された。これにより、「文化元年御造営絵図写」の図面が概ね正確な二の丸周辺の図であることも確認された。しかし建物の大きさや柱の位置が微妙に異なって表現されている個所もあるので、以降は発見された遺構と絵図の記載との対応関係を詳細に検討してく。確認調査に携わった本学埋蔵文化財調査室の藤澤敦特任准教授は「予想以上に遺構の保存状態が良好だった。新しい講義棟も既存建物の基礎杭を利用する工法を使うので、遺構を壊す心配はない」と述べた。


 現在調査が行われていた川内南地区では、従来の法学部・経済学部の合同講義棟に代わり、総合研究棟(国際文科学系)の建築工事が進められている。完成時期は未定。
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