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【ニュース】全寮生退去勧告の明善寮 来年度初め運営再開めどに改修工事へ

 明善寮の全寮生に対して、本学が転居または退寮を求める決定を通告した。明善寮生の相次ぐ飲酒による迷惑行為を受けて踏み切られ、寮生は9月30日までに本学の応急寄宿舎や他寮への転居か退寮をすることになる。その間明善寮は来年度初めの運営再開を目標に、改修工事が行われる。



 明善寮は1981年に設立された、現在本学男子学生1~2年生合わせて105名が居住する学生自治寮。かねてより寮生の飲酒問題が多発しており、しばしば寮生の保護者や近隣住民などから苦情を受けてきた。特に昨年度から飲酒迷惑行為を理由に退寮を希望したり、学生相談所に相談を持ちかけたりする新入生が増加。大学側は寮の自治委員会や寮生全員に対して直接説諭を行い、全寮生から飲酒迷惑行為を今後行わない旨の確認書の提出を受けた。しかしながら、今年度に入っても飲酒問題を理由に退寮を希望する新入生が多発するとともに、飲酒による健康被害が継続的に確認された。

 そのため、全寮生の安全を確保するべく、今年4月24日には明善寮での飲酒を全面的に禁止とした。しかしそれ以降も寮内で大量のアルコール飲料の空き缶や飲酒による迷惑行為が確認されたため、大学は「寮生による自主的な規制は見込めない」として今回の措置に踏み切った。今回の措置に携わった総長特別補佐を務める小田中直樹教授(経済学研究科)は「迷惑行為を働いた個人ごとに対処することも提案されたが、個人の特定は非常に困難。それに、飲酒の習慣は個人ではなく寮全体の雰囲気に問題がある。実際に飲酒による重大な事故が起こってしまってからでは取り返しがつかない」と述べた。

 本学は今後、禁酒措置を順守した明善寮生全員に対して個別に面談を行っていく。前述の全面禁酒を「守らなかった」と申告した学生は退寮処分となるが、禁酒を「守った」と申告した学生には他の学生寄宿舎に、明善寮改修工事に伴う臨時措置として工事終了まで転居してもらう予定だ。また宿舎の開放による寮生の受け入れだけではなく、転居に伴う引っ越し業者の手配や費用の負担といったことも大学側で援助を行っていく予定だ。


 寮生全員が退去した後、明善寮では床の清掃や張り替え、外壁の寮生による飲酒嘔吐跡の洗浄、トイレの洋式化などの整備改修工事を行い、来年4月の年度初めに合わせて寮を再開させる予定。「寮は本来経済的に苦しい学生に勉学の場を提供するための施設。一時的な転居となってしまい申し訳ないが、我々もできる限りのことをサポートしていく。今後も学生の健康と安全、そして何より経済状況に配慮した運営をしていきたい」と小田中教授は語った。
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