【研究成果】災害ストレージを開発 ~大災害時における重要データの保護が可能に~
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本学電気通信研究所の村岡裕明教授らの研究グループは、日立製作所と日立ソリュージョンズ東日本との共同研究により、大災害時において被災地の重要データを保護し、継続した情報サービスの提供を可能とする新たなストレージシステム技術の開発に成功した。
東日本大震災では、津波による被害で重要情報である住民基本台帳データやカルテなどの医療データを多く失い、遺体の身元確認等の実施の障害となった。またバックアップを取っていた自治体も、データ通信基地局の損壊によってデータの取得がしばらくの間不可能となった。
新しいストレージシステムの画期的な点は、リスクアウェア複製と呼ばれる技術の導入である。この技術は、国や県、市などの限られた範囲に分散させた複数のストレージシステム内で、災害発生時に各拠点の被災リスクを短時間で判断する。そして、被災可能性の低い拠点へ高い可用性(複製されたデータにどれほどアクセスできるかを示す)を確保した上でバックアップデータを複製する技術である。
これにより、大災害時にインターネットなどの広域通信網が断絶したとしても、壊れていないストレージ装置内に残った複製のおかげで重要データを必要とする機関に提供することが出来るようになり、被災者の安否確認や適切な医療の提供が行われることが期待される。実際に陸前高田市では東日本大震災発生時に、重要データへアクセス出来なかったため安否確認が遅れ、初動体制の構築に時間がかかった。そもそも震災以前は、広範囲の津波被害やインターネットの断絶を想定しておらず、震災により重要データの管理の弱点が明らかとなった。
本技術開発は、元電気通信研究所長岩崎俊一教授(現東北工業大学理事長)により開発された垂直磁気記録方式を踏まえて行われた。これは磁気記録容量の大規模化を可能としたもので、膨大な情報ストレージはこの垂直磁気記録方式が無ければ不可能だったという。
今回は民間企業との共同研究であり参加した研究者の人数が多かったため、全員をまとめて一定の研究成果を出すことに苦労したと村岡教授は語る。しかし、産学連携は非常に意義があり今後も行っていきたいと強調した。民間が研究に参加することで、有用な情報の共有や新技術が早く世の中へ出ることが期待されるからだ。
現在は新ストレージシステムの試験運用を行なっている。本学の各キャンパスにストレージ装置を設置して、実際にどの程度機能するかを測定する。可用性90%を目標としているが、現段階では届いておらず、目標達成のために今後も研究は続く。村岡教授は「更なる可用性の向上と早期の実用化を図りたい」と語った。
東日本大震災では、津波による被害で重要情報である住民基本台帳データやカルテなどの医療データを多く失い、遺体の身元確認等の実施の障害となった。またバックアップを取っていた自治体も、データ通信基地局の損壊によってデータの取得がしばらくの間不可能となった。
新しいストレージシステムの画期的な点は、リスクアウェア複製と呼ばれる技術の導入である。この技術は、国や県、市などの限られた範囲に分散させた複数のストレージシステム内で、災害発生時に各拠点の被災リスクを短時間で判断する。そして、被災可能性の低い拠点へ高い可用性(複製されたデータにどれほどアクセスできるかを示す)を確保した上でバックアップデータを複製する技術である。
これにより、大災害時にインターネットなどの広域通信網が断絶したとしても、壊れていないストレージ装置内に残った複製のおかげで重要データを必要とする機関に提供することが出来るようになり、被災者の安否確認や適切な医療の提供が行われることが期待される。実際に陸前高田市では東日本大震災発生時に、重要データへアクセス出来なかったため安否確認が遅れ、初動体制の構築に時間がかかった。そもそも震災以前は、広範囲の津波被害やインターネットの断絶を想定しておらず、震災により重要データの管理の弱点が明らかとなった。
本技術開発は、元電気通信研究所長岩崎俊一教授(現東北工業大学理事長)により開発された垂直磁気記録方式を踏まえて行われた。これは磁気記録容量の大規模化を可能としたもので、膨大な情報ストレージはこの垂直磁気記録方式が無ければ不可能だったという。
今回は民間企業との共同研究であり参加した研究者の人数が多かったため、全員をまとめて一定の研究成果を出すことに苦労したと村岡教授は語る。しかし、産学連携は非常に意義があり今後も行っていきたいと強調した。民間が研究に参加することで、有用な情報の共有や新技術が早く世の中へ出ることが期待されるからだ。
現在は新ストレージシステムの試験運用を行なっている。本学の各キャンパスにストレージ装置を設置して、実際にどの程度機能するかを測定する。可用性90%を目標としているが、現段階では届いておらず、目標達成のために今後も研究は続く。村岡教授は「更なる可用性の向上と早期の実用化を図りたい」と語った。