【書評】『この世でいちばん大事な「カネ」の話』 西原理恵子 角川文庫
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本書の筆者・西原理恵子さんは、「毎日かあさん」「ぼくんち」などの作品で著名な漫画家だ。エッセイも多数執筆しており、本書は中でも「カネ」について焦点を当てたエッセイとなっている。家庭にお金がないことで苦労した子供時代。生活費を稼ぐことの大変さを知った大学時代。そして社会人になって、博打に莫大な金を費やしたこと。金銭に纏わるエピソードを紐解くことで、筆者の生い立ちや人生観が見えてくる。
本書には金に纏わる苦労が多く書いてあり、特に子供時代のエピソードは読んでいて辛いものがある。しかしそれでも読後には明日を生きる活力が湧いてくる。それは西原さんが逆境に置かれても、地に足を付けて自分のできることを精一杯やることで状況を打破していく姿に勇気をもらえるからだと思う。自身の経験に裏付けられた言葉はリアリティに富んでおり、かつ温かみがある。博打に金銭を注ぎ込み続ける描写などは首肯しかねるが、西原さんにとっての金銭観、職業観には参考になる点が数多い。
生きることの資本は金にあり、金を稼ぐことの手段は働くことである。当たり前のことではあるが、ずっと養われてきた学生の身分だと、それを本当の意味で実感できることは少ないように思う。だからこそ本格的に職を決める前の学生のうちに、本書を手に取る価値があると思う。
本書には金に纏わる苦労が多く書いてあり、特に子供時代のエピソードは読んでいて辛いものがある。しかしそれでも読後には明日を生きる活力が湧いてくる。それは西原さんが逆境に置かれても、地に足を付けて自分のできることを精一杯やることで状況を打破していく姿に勇気をもらえるからだと思う。自身の経験に裏付けられた言葉はリアリティに富んでおり、かつ温かみがある。博打に金銭を注ぎ込み続ける描写などは首肯しかねるが、西原さんにとっての金銭観、職業観には参考になる点が数多い。
生きることの資本は金にあり、金を稼ぐことの手段は働くことである。当たり前のことではあるが、ずっと養われてきた学生の身分だと、それを本当の意味で実感できることは少ないように思う。だからこそ本格的に職を決める前の学生のうちに、本書を手に取る価値があると思う。