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【新入生向け2019・特別インタビュー】木村達哉氏 ~英語の問題集多数執筆~

 高校の英語の授業で、『ユメタン』や『夢を叶えるリスニング』を使ったことがある新入生は多いのではないだろうか。それらの著者であり、灘高で英語教師を務めている木村達哉氏に話を伺った。


―大学で一般教養として英語を学ぶ意義とは

 文字通りの教養としての意味しかないと思います。高校の授業のような読解中心の英語学習と、実際に大学で求められる「発信するための英語」の間にはかなり大きな差があります。一般教養の英語学習はどちらかというと前者寄りであることが多いです。だから、教養としての学習と、後々始まる専門的な学習の準備段階程度に捉えておけばいいのではないでしょうか。

―「英語力がある」とはどのようなことか

 とても難しい概念だと思います。一般的には「外国人と会話ができる」ということが「英語ができる」ということだと思われていますが、それよりも英語を「どう活用していくか」の方が重要で、英語が話せるかどうかは大した問題ではないと考えています。

 将来へのビジョンを持たずにただ趣味として学ぶだけでは、翻訳アプリと大差ありません。自分が将来どんな分野の英語を知っている必要があるのか、またどんな場面で英語を使うことになるのかをイメージしながら英語を学べる人が、本当に「英語力がある」といえるのではないでしょうか。

―なぜ英語教師になったのか

 本が大好きなことと、もともとは物書きになりたかったこともあって、国語教員になることを考えていた時期もありました。しかし、大学で英語科に入学したので、気が付いたら英語教師になっていたという感じです。もちろん、英語を教えることにも魅力を感じています。高校英語だと、読解の授業では初期段階から割と専門的な内容の文章も扱うので、自分も勉強しなければ質の高い授業ができないということが英語を教える面白さの一つだと思います。

―英語教師へ向けた、授業の質を上げるための勉強会を開催しようと思ったきっかけは

 学校の行事で大英博物館に行ったことです。大英博物館は入館料を取りません。大英博物館に限らず、ヨーロッパでは貧富の差に関係なく若い芸術家を育てるために博物館や美術館の入館料が無料になっています。この考え方にすごく感銘を受けました。だから、勉強会には自分が利益を上げることではなく、自分の著書を正しく使って、より多くの先生に質の高い授業を行ってほしいという思いを強く持って臨んでいます。

―どのような大学生活を送っていたか

 下宿で一人暮らしをしていました。第一志望ではない大学だったので、入学後1カ月ほどは打ちひしがれていましたが、講義の際に偶然隣に座った人に誘われて、気がついたら音楽を始めていました。ギターを担当したのですが、その経験のおかげで、教員として大勢の前で話すときにあまり緊張しなくなったり、ボランティアで沖縄に行ったときにも地元の方と早く打ち解けられたりしました。

 私生活では、家の中が本だらけになるほど、引きこもって本を読んでいました。それが現在では文章を書く手助けになっています。

―大学生のうちにやっておいたほうが良いことは

 読書や旅行、人と積極的に関わるなど、とにかく高校時代までにできなかったことをするべきだと思います。ほどほどに勉強をしつつ、経験を積むことを重視するのがいいのではないでしょうか。学生のうちにたくさん苦労して自分の引き出しを増やしてほしいですね。多くのことをできるようにしておいて、後で自分の好きなものを洗練させていくというのが理想です。大学生のうちにいろいろなことを経験し、どれだけ多くの引き出しを作り、他人に胸を張って売り込める自分を作れるかが大切です。

―新入生に一言

 人間の魅力とは、学歴や仕事で決まるものではありません。他の人に負けないほど突出したものが一つあれば十分です。それを見つけることは難しいですが、死ぬときに誇れるものがいいですね。単位や就職を気にするよりも、自分の中に何か一つ誇れるものを見つけてそれを磨くことを大切にしてほしいです。大学生活だけでなく、人生そのものをを楽しんでください。
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